アクションに力を入れすぎて内容が.....
『蜘蛛の巣を払う女』(The Girl in the Spider's Web)
『ミレニアム』実写関連作品はデヴッド・フィンチャー版のしか観たことがない。今作はデヴィッド・フィンチャーではなく、新監督に代わり、役者も代わっている。
相変わらずクソな男性を懲らしめるリスベッドの姿には感動するし、アクションの要素が前作よりはるかに多くなってかなりカッコイイ演出だったけど、それに力を入れすぎて今作は謎解き要素がかなり薄くなってしまった。しかも深みのある人物描写がかなり薄くなってしまったのも残念と言わざるを得ない。まあ難しい課題に挑んだと思うよ。
しかも今回はリスベッドの出生の秘密や双子の妹のこととか、かなり踏み込んだ内容だったからこそ、ちゃんと上映時間が長くなってもいいから人物描写を描くべきだったと思う。実父からの性的虐待で双子の気持ちは引き裂かれらのだからこそ、しっかりと描かないと。
しかし、ラストのリスベッドが誘拐された子どもが母親と再会するところを陰ながら見守るシーンや、リスベッドが生まれ幼少期を過ごした家を燃やしたのは凄く良いシーンだ。こういうシーンが描ける監督だったからこそ、やはりリスベッドと双子の妹のシーンは時間をかけるべきだったと尚更強く思った。