ワカンダ・フォーエバー!
『ブラック・パンサー』(Black Panther)
マーベルを始めとした大作は感想が雑記です。
まず始めに思ったことが、マーベル作品は本当に「憧れていた父親に問題がありました」的父子物語が大好きだなと再確認しました。(マーベルに限らずディズニーの作品は全体的にその傾向がある) 映画を観終わって印象に残るのは陛下より、周りにいた女性たちだ。陛下の妹で発明においてとんでもない才能を発揮するシュリ(彼女の映画好き、アメリカのカルチャー好きなところも魅力的だ)。そしてワカンダを守るためなら恋人と対峙するのですらいとわないオコエ。ワカンダにいるよりも外に出て難民のために働くナキア。今度のマーベル作品に出てくる女性たちの方向性を明確に変えるキャラクターだったと思う。また男性を一応主演に添えて周りに名女性の登場人物を登場させる作品は映画全体を見渡しても珍しい。今後も増えてほしいと思う。(逆に今までのマーベルが男性の主人公が多かったということも再確認した)
女性たちに負けずと(あえてそう表現したい)、王権国家ワカンダで育ったティチャラと民主主義国家で格差社会でもあるアメリカで育ったウンジャダカの対立は胸を打つものがある。
カラフルな衣装や音楽などアフリカの文化を見事に映画の中に落とし込んでおり、とても興奮する作りだった(カルチュライズ?しているという批判はある)、アメリカにおける黒人の歴史などを意識させる内容も脚本の中にあり、それを黒人の監督と役者たちが作り上げたので、『ブラック・パンサー』は文化的にも社会的にも重要な意味がある作品だと思う。
『ムーンライト』といい(リトルを演じたあの子が最後に出てきた)、『ブラック・パンサー』といい、アメリカの政治は暗くともエンタメの未来は明るい。