@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『マスター 先生が来る!』

 

『マスター 先生が来る!』

名門大学教授のJDは、腕っぷしの強さと行動力で学生たちに人気だったが、彼が実施を主張した学生会長選挙で暴動が起こったため、責任をとることに。教授職を辞し、新たに地方都市の少年院に赴任したJDだったが、その少年院は地元ギャングのバワーニに支配され、少年たちが犯罪と暴力に染まる劣悪な場所だった。JDは少年たちの更生のために立ち上がる。

 

 『囚人ディリ』の監督の最新作だが、『マスター/先生が来る!』の方がずっと面白かった。何なら今年話題の『RRR』よりも好きだ。

 

 少年院を更生しに行くみたいな話は今年観た『アーナンド先生...』に似ているが、本作は子どもたちを少年院に入るきっかけを作った政治や腐敗した司法に問題があるとハッキリ言っていた。メタ的な発言もあって「この映画だって18歳未満上映禁止」みたいな映画の壁を越えてくるシーンもあり、かなり意識的に政府を批判している。この辺もインド映画のプロパガンダ感がぬぐい切れなかった『RRR』には無い要素だ。

 

 "暴力"の使い分けも上手く、JDはどんなに腹が立っても少年院にいた子供たちや青年達には暴力を振るわず脅したりもせず話し合いで解決する姿勢を貫く。逆にそんな子供たちを利用したバワーニと子分たちには大変容赦なく、何ならバワーニが一番残酷な殺され方をする。

 

 インドの大型映画らしく、ミュージカルやダンスシーンは大変よく、曲もキャッチーで耳に残る。アクションも素晴らしい。JDの感情を復讐へ誘導するために大学の学生が殺されるのは少し強引な演出だが、それを踏まえても良い映画だったと思う。日本語タイトルもやり過ぎ感なく、映画の内容に合っていると思う。