@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『梟 フクロウ』

 

『梟 フクロウ』 (The Night Owl) [2022年韓国]

 

盲目の天才鍼医ギョンスは病の弟を救うため、誰にも言えない秘密を抱えながら宮廷で働いている。ある夜、ギョンスは王の子の死を“目撃”してしまったことで、おぞましい真実に直面する事態に。追われる身となった彼は、朝日が昇るまでという限られた時間のなか、謎を暴くため闇を駆けるが……。監督はアン・テジン。出演はリュ・ジュンヨル(ギョンス)、ユ・ヘジンほか。

 

 とにかく良く出来ている映画だ。スリラー演出とか本当に凄くて(特にポスターで使われているシーン!!)、同じ回観た他のお客さんから度々「うわっ」みたいな声が漏れていた。それに加えてお話も面白い。前半はギャンスの宮廷内の成り上がり物語で王たちから気に入られたりコメディリリーフな友達ができたりとしっかりした宮廷モノだ。後半は宮廷内の権力争いに巻き込まれてどうにか自分を守ろうとする話で、これもれっきとした時代劇だ。ラストの10分はギャンスが自分と大切な人々を殺した王への復讐を果たすので復讐譚になる。とにかくよく出来ている。それに加えてユ・ヘジンの権力を振りかざす悪い王ぶりを魅力的に見せてくる。

 

 宮廷と言う男たちの世界で声を無視されるであろう障害者、子ども、女性という3人がどうにか無念を晴らしたいと奮闘し、最後にギャンスは自らの宮廷での立場も捨てて権力をも否定する。また王への革命もしっかり描いている。徹頭徹尾弱者への視線が貫かれている。

 

 ただ本作のスリラー演出はギャンスの弱視に起因して起こるので、ちょっと不誠実だなと思うけど、ああやってギャンスのように生きている人は今もたくさんいるだろう。ギャンスを誤解する周りが悪いんだ。またもうちょっと女性の出番を増やして、ギャンスと一緒に王の悪事を暴くとかしたら個人的にもっと面白くなった気がした。