@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ソウルメイト』

 

『ソウルメイト』 (Soulmate) [2023年韓国]

 

絵を勉強しながら世界中を旅したいという夢を抱く自由人のミソ。そんな彼女に憧れを抱きながらも堅実に生きることを願うハウン。性格も価値観も真逆な2人の幼なじみは、楽しい時もさみしい時もずっと一緒だった。そんな日々がずっと続くと思われたが、ある出会いをきっかけに2人の関係は急激に変化していく。互いのことを思い合いながらもすれ違い、やがて疎遠になって16年が過ぎたある日、ハウンはミソにある秘密を残し、こつ然と姿を消してしまう。監督はミン・ヨングン。出演はキム・ダミ(アン・ミソ)、チョン・ソニ(コ・ハウン)、ピョン・ウソク(ジヌン)ほか。

 

 本作鑑賞中にずっと「この映画の話知ってるな」なんて思ってたら、エンドロールにて『ソウルメイト 七月(チーユエ)と安生(アンシェン)』の韓国版リメイクだと判明し納得。ちょっと前に『ソウルメイト 七月(チーユエ)と安生(アンシェン)』を観たことがあるが、そちらも結構重たい話だったのだが、韓国版リメイクである本作はちょっとだけ笑える感じにもなっている。それでも本作最大のドラマパートがジヨンだったり、出産と死なので少し古いようにも感じる。

 

 本作は1990年代から子ども時代を過ごし2000年代に青春を迎えたであろう監督の過ごしてきた日々が時代(と言っても数年単位)と共に携帯やデジカメやら映すカメラを通して綴られるのが何とも郷愁意識をくすぐられる(それ以外だとゲームとか洋服とかだった)。絶対同じ歳だな監督とは。とにかくその人を切り取って大事に物理的に思い出をしまっておきたいという気持ちがカメラで写真を撮るとか絵を描くとかの行為で行われていて、それが大事なモチーフになっている。実はこれはかなり能動的な行為であるが(本人はそれを当たり前だと思っていたが)、その能動性が最後にはハウン自身の行動動機にしっかり繋がっている。

 

 ハウンの怒りがピークになった瞬間に明かされるハウンのミソへの恋心を最後まで詳しく追求せず、ハウンとミソの若い女性の自己実現への物語である。恋愛より大事なことは確かにあると思うし、夢ができたなら絶対に追うべき思うし。ただ2024年だし、普通にハウンのミソへの恋心、恋模様をしっかり描いていてもいいのではないかと思う。しかし一方でハウンはミソへの愛があるからこそ、ジヌンとの関係を続けていたのではないかとも思う。そう思うと本作はハウンのミソへの非常にクィアな愛を描いているとも評価できる。この一筋縄ではいかないクィアな恋模様はやはりアジア映画によくみられるのだけど(『ユンヒへ』もそうだよね)、やはりまだ正々堂々と同性愛を描くことは難しいのかなとも思った。

 

 あとこれは本作の評価とは関係ないのだが、冒頭のミソとハウンが学校をさぼってピアスの穴をあけるお店で、一瞬ミニオンズの人形が映りこんでいた気がしたのだが、あの時代にはまだミニオンズは登場してなかった気がするんだけど、あれは映画的なミスだよね。