『サンクスギビング』 (Thanksgiving) [2023年アメリカ]
感謝祭発祥の地とされるマサチューセッツ州プリマス。年に1度の祝祭に人々が沸き立つ中、ダイナーで働く女性が何者かに惨殺される事件が起こる。その後も相次いで住民たちが姿を消し、感謝祭の食卓に並ぶご馳走に模した残酷な方法で殺されていく。街中が恐怖の底に突き落とされる中、地元の高校生ジェシカたちは、ジョン・カーヴァーを名乗る謎の人物のインスタグラム投稿に自分たちがタグ付けされたことに気づく。投稿を確認すると、そこには感謝祭の豪華な食卓とともに、ジェシカたちの名札が意味深に置かれていた。監督はイーライ・ロス。出演はパトリック・デンプシー(ニューロン)、ネル・ヴェルラーク(ジェシカ)、ジェイレン・トーマス・ブルックス(ボビー)、リック・ホフマン(トーマス)ほか。
簡単な感想。クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスの『グラインド・ハウス』(2007年)内に収録されたイーライ・ロス監督によるフェイク予告編「感謝祭(Thanksgiving)」を自らが長編映画化した作品らしい。最初からとても楽しく観ることができて娯楽作としてよく出来ている。確かにゴア描写もあるけど、個人的にはそんなに気持ち悪くは無かったかな(ただし生きたままオーブンで人間を焼くシーンはさすがに観ていて辛かったな)。それもゴア以外の犯人は誰なのか的なミステリー要素のストーリー展開が面白かったからだと思う。
ただ殺人鬼のニューロンの動機が、妻が死んでその妻の妊娠中の子どもも死んだからみたいなよくある理由になってしまっていて少し肩透かしだった。そもそもその妻も既婚者でニューロンとは不倫関係だったわけだし、その子供だってニューロンの子どもかどうかも分からないのに、そんな曖昧な理由で殺人鬼になるかね。せっかくサンクスギビングの殺人鬼なのだから、先住民の幽霊が入植者の白人たちを殺そうとするスプラッター映画にすればよかったのにね。