@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ゴーストワールド』

ゴーストワールド』 (Ghost World) [2001年アメリカ]

 

ダニエル・クロウズのコミックが原作。幼なじみで親友のイーニドとレベッカは高校を卒業したものの、進学も就職もせずに気ままな毎日を過ごしている。そんなある日、2人は悪戯心から、新聞の出会い広告欄に載っていた中年男シーモアを呼び出して尾行する。イーニドは冴えないシーモアになぜか興味を抱き、彼の趣味であるブルースのレコード収集を通して親交を深めていく。一方、レベッカはカフェで働き始め、イーニドとレベッカは次第にすれ違うようになっていく。監督はテリー・ツワイゴフ。出演はソーラ・バーチ(イーニド)、スカーレット・ヨハンソン(レベッカ)、スティーブ・ブシェーミ(シーモア)ほか。

 

 リバイバル上映と言うことだし、影響力が大きい映画らしいので劇場で観てきた。ちなみに初めて観た。70年代に出版されたコミックが原作と言うこと、これはあまり言いたくないが男性が描いているということ、また2023年において女性監督たちや一部の男性監督による傑作の青春映画を観てしまった後、と言う色んな条件を加味した今の私が観ると、この映画で描かれていることは全て間違っていると思うし、「これ、この描き方で平気?」とずっと思っていた(青春映画は賞味期限がとても短い...)。そう思えるほど私も観客も進化したということで、それ自体は良いことだと思う。

 

 オフビートでシュールなストーリー展開はすごく面白いし、イーニドのやることないけど「これだけはやりたくないっ」っていう気持ちは分かるし、それにあの痛々しい感じも見ていてとても共感した(あの年頃にしては平均的な痛々しさだと思う)。というかあの美術の先生がしっかりしていたらイーニドはやりたいことを叶えることができたのだから、やはりイーニドの振舞いは何一つ間違っていないんだろう。ただ周りの大人がダメな奴で、おそらくこの映画は大人のダメさとそれに付きまとわされる若者というそれ自体を風刺しているんだろうな。

 

 あとやはりいくら2001年の映画だからってシーモアが十代のイーニドと性的関係を持つってどうなんだ?結果的に別れるけど、シーモアはあれあの世界にいるだけで特に罰は加えられないでしょ?この映画って「どうしてませた女の子は年上の博識な男に惹かれるのか」という昔からあるテーマを現代を舞台に描いているだけなんだよな。すごく男性目線な映画だよ。今だったらもっとイーニドとレベッカの友情をもっと深く描くし、それこそレベッカシーモアと関係を持とうとするイーニドを全力で止めるよね。面白かったけど、すごく時代を感じる映画だった。