@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

 

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』 [2023年日本]

 

昭和31年。鬼太郎の父であるかつての目玉おやじは、行方不明の妻を捜して哭倉村へやって来る。その村は、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族が支配していた。血液銀行に勤める水木は、一族の当主の死の弔いを建前に密命を背負って村を訪れ、鬼太郎の父と出会う。当主の後継をめぐって醜い争いが繰り広げられる中、村の神社で一族の者が惨殺される事件が発生。それは恐ろしい怪奇の連鎖の始まりだった。監督は古賀豪。

 

 SNSで凄く話題だったし、そもそも劇場で予告編を観た時から観たいと思わせる話だったし、「これは私が日本映画に求める要素があるかもしれない」と思い...観て本当に良かった。原作者の意図をしっかりくみ取った脚本(戦争批判、戦争を遂行した当時の政府や権力者や財閥への批判)、ただ怖いモノを出すだけでなく家や村の雰囲気など空間のしっかり利用したホラー演出、当時の戦後間もない日本の雰囲気や文化の描き方、家父長制の犠牲になる女性や子供への視線、げ太郎と水木の友情(無数のファンアートあり!)など、とにかく褒めたい点が多い映画であった。前日譚の映画なら上位に入る出来栄えだったと思う。

 

 アニメ映画についてこんなこと言うのはナンセンスだけど、こういう感じで実写で観たいなと。でもそこで仮に作られるとして持ち上げられる監督が山崎貴とかなんだよ。どう考えてもこの映画は大島渚とか野村芳太郎とか市川崑とかの作品たちと比べて語られるべきだろうに。

 

 ちなみに男たちの熱い友情(決して戦場の絆ではない!)に対して女性の描き方は良くない。特に沙代は本当に可哀そうでラストでもあまり救われているとは言い難い。そもそも家父長制の犠牲として描かれているのでああいう風になるのは理解できるのだけど、沙代について提示される情報があまりに不憫でね...。