トモダチ信仰が強すぎる
『ロン 僕のポンコツ・ボット』(Ron's Gone Wrong)
友達が欲しい少年と不良品の最新式ロボットが“本当の友情”を探して繰り広げる冒険を描いた長編アニメーション。ネット、写真、通話、テレビ、ゲームなどあらゆるデジタル機能に加えて乗り物としても使用でき、所有者の友達まで見つけ出してくれる最新式ロボット型デバイス「Bボット」。しかし孤独な少年バーニーのもとに届いたのは、オンラインにすら接続できない不良品Bボットのロンだった。友達の探し方もわからず空回りしてばかりのロンに、バーニーは“友だちの条件”を説明し、なんとか友だちを探してもらおうとするが……。
ディズニー配給でロボットアニメでしかもそれが白いロボットって「ベイマックスじゃん」というツッコミの刃は鞘の中におさめておいても、私はこの映画が好きじゃなかった。もちろんアニメーションは凄いし、脚本のテンポも良い。(というかテンポが速すぎて少しイラっと来るかも)
好きじゃないポイントをいくつか挙げると...まず本作のメッセージであろう「トモダチを作ろう、トモダチのいない人生は辛いよね」が全く受け付けられなかった。これは個人的に友達がほぼいない人間の僻みでもあるが、それでも本作で嫌というほど繰り返されるトモダチを作ろうメッセージに反吐が出る人はいると思う。
次はBボットが生活の一部になっている人々に向けて、「それが人生を左右しているくらい依存するのは良くないよ」的なメッセージである。正直それってメッセージとしてたくさん世の中にあって、いちいち映画の中で示すメッセージなのかという疑問がふつふつと湧いてくる。本当に私はこの映画の観客ではなかった。