@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『PITY ある不幸な男』

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『PITY ある不幸な男』

 

10代の息子と小綺麗な家に住み、礼儀正しく身だしなみも良い弁護士の中年男性。何不自由ない暮らしを送っているように見えるが、彼の妻は不慮の事故で昏睡状態に陥っている。彼の1日は、妻を思ってベッドの隅でむせび泣き、取り乱すことから始まる。そんな彼の境遇を知り、同情心から親切になる周囲の人々。この出来事がもたらした悲しみは、いつしか彼の心の支えとなっていた。ところがある日、妻が奇跡的に目を覚まし、悲しみに暮れる日々に変化が訪れる。

 

 妻の事故で植物状態になってしまった不幸な出来事をきっかけに他人から同情が集まった男が、その同情されていた状況が忘れられなくなった男が再び同情を集めるためにとんでもない行動を起こすというので、ある種の代理ミュンヒハウゼン症候群みたいな話だ。また最近観た『Runラン』にすごく内容が似ている。しかし『Runラン』と違うのが、これは代理ミュンヒハウゼン症候群を起こす側の視点に立った作品なので、薄気味悪いというか、後味最悪である。

 

 確かに主人公の男の気持ちは分かるというか、人に同情したり自分が同情したりすると他人と繋がったような感覚になりとても良い気持ちになる。しかしそれを得たいがためにする行動が非常に問題だ。同情以外で同じ他人と繋がるようなコミュニケーションを取らないとダメなんだと思う。これは非常に今っぽい話だ。今はSNSとかで同情が集まりやすい世の中だからだ。