@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『アオラレ』

なんで煽り犯が常識を語るんだよ(笑)

 

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『アオラレ』(Unhinged)

 

ルイジアナ州ニューオーリンズ。レイチェルは15歳になる息子(カイル)と一緒に暮らしていた。そんなある日、車でカイルを学校に送り届けた帰り道、レイチェルは前を走っていた車が青信号になっても動き出さないという事態に遭遇した。レイチェルはクラクションで信号が変ったことを伝えようとしたが、それでも車は動かなかったため、やむなく追い越すことにした。ところが、前の車の運転手は追い越しに逆ギレし、真摯な謝罪を求めてレイチェルを追いかけてきた。運転手の行動は徐々にエスカレートしていき、レイチェルは想像を絶する恐怖を味わうことになった。

 

 コロナ禍でロックダウン中のアメリカで異例のヒットを記録した本作、日本に来た時にはまさかのアオラレという謎邦題をつけられ、宣伝にはラッセル・クロウの言わされてる感満載の「煽ってんじゃねーよ」が効果的に使われている(笑)

 

 しかしこの映画のベースはかなり常識の範囲で作られている。映画全体は常に詰めが甘くツッコミを禁じ得ないが(例えばスマフォの充電は切れないくせにタブレットはすぐ充電切れる...)、それでも愛嬌のある映画ではある。特に煽り犯を熱演するラッセル・クロウも良かったし(だいぶ昔より太った気が...)、何より煽られ役のシングル・マザーであるカレン・ピストリアスの演技は今年度で観た映画の中でも上位に食い込むものだったし、ラッセル・クロウの演技が光って見えたのも彼女の恐怖演技の賜物だ。というかこういうサイコパス男が普通の女性を恐怖のどん底に突き落とす系映画はどう考えても、恐怖を演じる女性の努力の甲斐があるからこそ輝くのだ。特に『シャイニング』とか。

 

 また本作が個人的に笑えるなと思ったところが、とんでもない煽りをしてくる男がなぜか謝罪についての常識や礼儀を常に女性に説いてくるのだ。何様だよ(笑)だからこそ最後の女性の「これが私の礼節だ」セリフがカッコイイのだ。

 

 そしてこの映画のラストは主人公が急に飛び出してきた車にクラクションを鳴らそうとするが、もめ事を避けるために自重するという車の教習所で見せるべきではとつい思ってしまうラストである。そうだ車の運転は熱くなったほうがダメだ。冷静に運転すれば、煽り運転だって減るはずだ。