サノスのせいでマーベルファンの心は素粒子のようにバラバラに引き裂かれたところにやってきた『アントマン』続編。とりあえずこの作品で心を落ち着かせてまるでマーベルが言っているかのような映画だ。緩急でいうなら、確実に"緩"だ。
前作と違いワスプが大活躍の今作で、アントマンとのコンビも素晴らしい。またマーベルお得意の父と子話も今作には詰まっているが、アントマンの人徳ゆえに全く嫌味な観る事ができる。
そして今作で忘れてはいけないもう一つのテーマが"母と娘"だ。実はこれはマーベルがかなり今まで低く見積もっていたテーマだ。おそらくワスプ母は間違いなくマーベルの中でしっかりと描かれている母親だろう。(まあ『スパイダーマン』のメイおばさんもそうだけど) やはり『アントマン』シリーズは他のマーベル作品群とは一転を画しているし、そこが私が好きな理由の一つだ。(まあどうせ『アベンジャーズ』シリーズになったら、女性の描き方は薄くなるんだろうけどね)
最後に指摘。実はMe Tooで過去のセクハラを告発されたマイケル・ダグラスが普通に作品に出てるんですが、過去のツイートが発覚して解雇されたジェームズ・ガン(こちらも許されるわけではない)と比較するとずいぶん扱いが違うような気がするが、その辺ちゃんとディズニーやマーベルはハッキリさせておくべきではないだろうか。その辺がウヤムヤなままなので、実は映画にあまり集中して観ていなかった。