魔女たちの悪巧み.....
『サスペリア』(Suspiria)
まずリメイク元の1977年版『サスペリア』は観たことないので今作のみの感想になる。
こんなことを書くのは気が引けるが、まず私はトム・ヨークの音楽が好きではない、しかもルカ・グァダニーノ監督作品がついでに好きではない。しかも今作は私の苦手な2時間30分以上も上映時間がある長時間映画だ。しかもダンスカンパニーが恐怖の舞台っていうのが、「またかよ」って感じで、とのかくハードルを低くして観た。
良くも悪くも私の想像の範疇を越えてこなかったので、そういう意味では嫌悪感なく見ることができた。ただし、血が大量に出てくる描写が苦手だという人は観ないほうがよいかも。あと日本の広報がつけたクソダサいキャッチコピー「決してひとりでは見ないでください。」があるけど、一緒に観た人と気まずくなるだけだから、ぜひ私は一人で観たほうが良いと思う。というか映画館で観るんだから、一人ではないだろうし、他の観客もいるだろう。
映画の内容は魔女たちの悪巧み映画で、家母長制の恐怖と苦しみを描いているなと思った。最近、このテーマの映画増えてきてる気がする。この映画の凄いところは、映画のキャスティングで、ほとんどが女性。あの医者も、ティルダ・スウィントンが演じているので、本当に画面は女性しか映らない。かなりその辺は先鋭的な映画だと思う。あと女性のダンスカンパニーが舞台だけど、『ブラック・スワン』みたいな腹立つシーンは全くなかったので、その辺も良い。ただしオススメはしない。