@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『タリーと私の秘密の時間』

昔の私が訪ねてきた…

 

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タリーと私の秘密の時間』(Tully)

 

今作はジェイソン・ライトマンの過去作である『JUNOジュノ』と『ヤング≒アダルト』と共通点がある作品だと監督自身が定義しているが、私はその二つを観たことがないので、こちらの作品だけで評価することになる。

 

シャリーズ姉さんといえば、『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』のフュリオサや『アトミック・ブロンド』のローレンを始め私たちをいつも助けてくれる人だ。でも今作の姉さんはとにかく顔色が悪く、観ている私のほうが姉さんに救いの手を差し伸べたくなるくらいだ。そうそれくらい本作は産後の子育ての大変さを描いている。そしてしまいには育児ノイノーゼで睡眠不足が重なり病気にまでなってしまう(ネタバレです)。ラストはそんな母親を完璧にするのではなく、周り(特に夫)で支えるという内容になっている。つまりこれは母親のセルフケアの話だと思った。

 

夫も一応、そんな悪い奴みたいには見えない。どちらかというと世間一般にあふれている夫、父親で彼の無関心さが妻を追い詰めている(妻もどっちかというとあきらめてる)。ベッドに夫婦で寝転がっていると、なんだか夫のほうが妻に気を使っているように見える、きっと3人も子供産んで子育てに疲労困憊になってる妻に対してどう接していいか分からないのだろう。この辺が凄くリアルだ。

 

子育てに疲労困憊している母親をベビーシッターが訪ねてくる。彼女との交流で次第に元気になっていく。彼女の存在が分かる時が本作のキモだが、私は彼女がルームメイトの話をしたときに正体に気付いた。そしてこの描写は議論を呼びそうだ。

 

個人的には母親とベビーシッターが夜の街に出掛けるためにドライブするシーンで、車内にシンディ・ローパーの曲がたくさん流れる(許可取るの大変だっただろうな)。特に「Girls Just Wanna Have Fun」「I Drive All Night」の使い方は見事だ。おそらくタリーの青春時代の曲なのだろう。

 

そして姉さんが今作ではカラオケでカーリー・レイ・ジェプセンの「Call Me Baby」を歌うシーンがあるのだが、もうここがめちゃくちゃ音痴でとてつもなく愛らしい(褒めています)。そして個人的に同じ映画でシンディとカーリーの曲を使ったのはよく音楽シーンを理解されている監督だと思う。カーリーは現代のシンディ的な存在で曲を書くので。(この話は長くなるのですが、とにかくカーリーの『E・MO・TION』を是非聞いてください。)

 

作品全体として、母性を神聖化しない点でとても評価できるし、シャリーズ・セロンとマッケンジー・デイヴィスが活躍しセリフを多い、シャリーズ姉さんの役作りもすごいと思うし(お疲れ様です、姉さん)。それなのにシャネルのCMに出るのだから、やはり姉さんだ。