@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ドライブアウェイ・ドールズ』

 

『ドライブアウェイ・ドールズ』 (Drive-Away Dolls) [2024年アメリカ]

 

日々の生活に行き詰まりを感じたジェイミーとマリアンは、車の配送(=ドライブアウェイ)をしながらアメリカ縦断のドライブに出かける。しかし、配送会社が手配した車のトランクに謎のスーツケースがあるのを見つけ、その中に思わぬブツが入っていたことから、スーツケースを取り戻そうとするギャングたちから追われるはめに。さらにジェイミーの元カノの警察官や上院議員までも巻き込み、事態は思わぬ方向へと発展していく。監督はイーサン・コーエン。脚本はイーサン・コーエン、トリシア・クック。出演はマーガレット・クアリー(ジェイミー)、ジェラルディン・ビスワナサン(マリアン)、ビーニー・フェルドスタイン(スーキー)、コールマン・ドミンゴ、C・J・ウィルソン、ジョーイ・スロトニック、ペドロ・パスカルマット・デイモンマイリー・サイラスほか。

 

 オフビートでたまにゴア描写が入り乱れる感じはいつものコーエン兄弟という感じで安心して観れる(イーサン・コーエンの単独作ですが)。但しあまりにシュールに話が進んでいくので、地味で物足りないのも確かにある。編集というか、シーンの繋ぎにサイケっぽい映像が流れるのだが、それは自体は面白い演出なのだが同時に「これ必要か?」とも思った。しかもそのサイケっぽい映像がジェイミーでもマリアンが見ているモノでなく、後半に少ししか出てこない議員の過去の映像であることが判明して、ますます必要なのだろうかと感じた。もしかしたらマイリー・サイラスを登場させたいがために作ったシーンなのかもしれない(マイリーに限らず本作の出演者はやたら豪華だ)。

 

 ラストのマリアンが言う「彼のディルドが恋しい」っていうのギャグなんだろうけど、私は凄く男性目線な発言だと思った。リアリティが無いというか、レズビアン2人が男性器の形をしたディルドを恋しいと素直に思うかな?時代的にああいう道具のヴァリエーションが少ないのは分かるけどさ。レズビアンに限らずあの形をしたディルドを家に置くことに抵抗ある女性ってたくさんいると思うし、レズビアンはあまり男性に関わりたくないと思っている人って結構いると思うし。「レズビアンは男性器の良さを知らないからだ」という古来から存在するレズビアンステレオタイプを全くひっくり返せてないと思う。というかあれだけディルドをネタにするのなら、ジェイミーとマリアンが2人で新しいディルドを開発するみたいなクダリがあっても良いような気がする。

 

 ただ紛うことなきオフビートでシュールなレズビアン映画であることは確かだ。主人公二人がレズビアンだし、道中で出逢う女性たちもレズビアンだし、ギャグも生き方もレズビアンそのものだ。ジェイミーとマリアンの性格が真反対だが、何とか二人でやっていこうとするのも面白い。特にマリアンが見る淫らな夢が凄くリアルというか、あれはクィアな揺らぎの夢で若い時は見てしまうんだよね。