@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ライド・オン』

 

『ライド・オン』 (龍馬政審) [2023年中国]

 

かつて香港映画界伝説のスタントマンと言われたルオ・ジーロン。現在は第一線から退き、愛馬のチートゥとともに、エキストラなどの地味な仕事をこなす日々を送っている。債務トラブルをきっかけに、チートゥが競売にかけられることとなったルオは、苦肉の策で遠縁になっていた法学部の学生である一人娘のシャオバオに助けを求める。そんなルオに、愛馬との共演というスタントマンのオファーが舞い込んでくる。年齢的にも危険をともなう撮影だったが、ルオはチートゥを守るため、危険なスタントシーンに挑戦していくこととなる。監督はラリー・ヤン。出演はジャッキー・チェン(ルオ)、リウ・ハオツン(シャオバオ)ほか。

 

 徹頭徹尾にこの映画は「憧れのジャッキー・チェンさんが僕の映画に出てくれた」みたいな究極のファン目線映画である。正直言うと観ていてこっちが恥ずかしくなるくらいである。映画としてのこだわりとか脚本とか都合よすぎる父と娘の愛情とか、観客のことを全く考えていないが、まあ主演のジャッキー・チェンはここまで自分のことを思ってくれる人がいるだけですごく幸せだろうなとも思った。

 

 愛馬チートゥを息子と言って大事にしているのに無茶をさせ続けていた横暴でワガママな父ルオが、その自分の傲慢さに気付いて無茶させるのをやめるまでの物語なのだが、それは大変良いと思うのだが、いかせんそれでもこの映画は傲慢でワガママな父ルオをみんなで「よいしょ」するのを止めない。「家族を大切にしなさい」とか「親を大切にしなさい」という説教くさい感じより、あまりに現実味が無さすぎる娘シャオバオの父に尽くしたい気持ちの"嘘さ"があまりにもフィクションすぎて...(念のため怒りを父にぶつけるシーンはある)

 

 ただ時々インサートされるルオがスタントを担当する"映画"のシーンは凄くて(このシーンだけやけに本気で作ってる)、やはりジャッキー・チェンのアクションは凄いと思わせてくれる。もう本編の温い親子愛物語より、ずっとインサートされる"映画"をまるまる一本観たい。あれだけ動けるんだからさ、落ちぶれたスタントマン的な設定いらないでしょ。現役のスタントマンとしてアクションがメインの映画を作ればよかったのに。