@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『火の鳥 エデンの花』『火の鳥 エデンの宙』Disney+

 

火の鳥 エデンの花』『火の鳥 エデンの宙』Disney+ [2023年日本]

 

手塚治虫の名作漫画「火の鳥」全12編のうち、地球と宇宙の未来を描いた「望郷編」をアニメ映画化。本作とはエンディングの異なる配信版『火の鳥 エデンの宙』がDisney+で配信中。訳あって地球から逃亡し、辺境惑星エデン17に降り立ったロミと恋人ジョージ。しかし未開の惑星での生活は厳しく、ジョージは事故で命を落としてしまう。ロミは1人息子のために自分の命を引き延ばそうとコールドスリープに入るが、機械の故障で1300年間も眠り続けてしまう。ようやく目覚めたロミは、新人類が築いた巨大な町・エデン17の女王となる。ある日、ロミの望郷の思いを知った心優しい少年コムは、ロミとともに地球を目指すべく広大な宇宙へと旅に出る。監督は西見祥示郎

 

 まず原作はロミは地球で死ぬ、コムも地球で死ぬ、牧村は生きる。Disney+はロミは生きて、コムも生きて、牧村も生きる。本作劇場版ではロミは生きてエデンへ帰り、コムは死ぬ、牧村も死ぬ。ということでDisney+版も劇場公開版も原作と大きく改変されているのに、Disney+版も劇場公開版もエンディング異なる。しかし実際この2つの作品はエンディング以外はほとんど同じ話だったので、そもそも2つ作品を作る意味あるのだろうか?Disney+版を観た人はわざわざ劇場版観る必要ないし、なんなら久しぶりにお金返してくれっていう気分になった。おそらく劇場版はDisney+に加入していない人のために作られたのかもしれない。

 

 作品自体も原作にあった生命のサイクルなどの縦の時間の流れの要素を削り、1話完結の作品に仕上がっており、原作を知っている人間からすると非常に消化不良である。物語も横の流れしか描いておらず、そこは原作通りであるが、そもそも原作は火の鳥の全12編の流れに沿ってみるのを前提に作ってあるのだから、そこを無くして横の流れだけを描いた本作の魅力ってなんだろう。ロマンチックな要素が強調され過ぎていて、生命の要素は皆無に等しい、ロマンチックでなければ生殖も生命もない。

 

 ポスターに「あなたは生きなさい」とか書いてあるけど、唐突にこんなことセリフで言われても何も響かないんだよ。手塚治虫の世界観を全く理解してなくて、その「生きなさい」みたいなカッコイイセリフだけ切り取っても意味ないの。これはジブリの『ゲド戦記』もそうだっけど、製作側がアニメーションばかりに気を取られて、脚本とは何かを忘れている気がする。

 

 そもそもキャラクターデザインも全然違うし、火の鳥も出てこない。アイデアだけ頂いた全く違うアニメだ。作る必要あったのか?芸術が生き残こるにはこういうことも必要なのかもしれないが、それでも本作単体としてのクオリティも正直微妙だよね?どうせならDisney+と専属契約して全12編のアニメーションをしっかり作ればいいのにな。まあ所詮Disneyだしな、期待しないけど。もっと恐れず血とか生命とかを描いてほしんだよ。