@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』

 

『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』 (A Haunting In Venice) [2023年アメリカ]


ミステリアスで美しい水上の迷宮都市ベネチア。流浪の日々を送る名探偵エルキュール・ポアロは、死者の声を話すことができるという霊媒師のトリックを見破るために、子どもの亡霊が出るという謎めいた屋敷での降霊会に参加する。しかし、そこで招待客のひとりが人間には不可能な方法で殺害される事件が発生。犯人が実在するかさえ不明な殺人事件に戸惑いながらも、真相究明に挑むポアロだったが……。監督&主演はケネス・ブラナー。出演はリッカルド・スカマルチョ(ヴィターレ)、ティナ・フェイ(フェリネ)、ミシェル・ヨー(レイノルズ)、カイル・アレン(マキシム)、カミーユ・コッタン(オルガ)、ジュード・ヒル(レオポルド)、ケリー・ライリー(ロウィーナ)、ほか。

 

 

 『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』に続く3作目。原作はアガサ・クリスティの小説「ハロウィーン・パーティ」から。全体的にゴシックホラー調で撮影も音楽もそれに合わせた感じになっている。王道のホラーのような演出も随所にみられた。この分かりやすさの王道は実にありがたいものだった。

 

 1947年のベネチアが舞台ということで、どこか第2次世界大戦、ファシズム後の雰囲気が漂っていて、日常や人々の間に死があって、降霊会などのオカルトが流行っていたのが伝わってくる。それに付随して幽霊を信じるというポジティブなことを肯定するお話だった。幽霊は助けてくれるが、それをポアロは否定しないけど、肯定もしない。しかし観客には何が起きたのかしっかり伝わってくる。

 

 話の内容は、娘を支配したい母と息子を守りたい父を対比させるミソジニーな感じで時代ゆえ仕方ないこともあるが、いくらアガサ・クリスティーとはいえ大衆のミソジニーをそのまま描くことはたぶんにあるものだ。(パトリシア・ハイスミスもそういう所がある)

 

 私はすごく面白かったのだが(ゴシックホラーが好きなので)、ホラー要素がこのシリーズとマッチするのかと言えば微妙だし、ミステリー要素も少なくテンポが早すぎてじっくり見せるということはしていない。またミシェル・ヨーが大変魅力のない役で出演していて、悪い意味で驚いた。