『GUNDA/グンダ』WOWOW
とある農場で暮らす豚の親子。納屋で横たわる母豚のグンダの周囲に、まだ生まれたばかりの子豚たちが群がり、自分より何倍も大きい母豚の巨体にすがりついて元気よく乳を飲みだす。初めはおぼつかない足取りでよちよち歩いていた子豚たちも、いつしか母豚のグンダとともに、納屋の外の草原を元気に歩き回るまでに成長していく。一方、鶏たちも、ケージから抜け出し、大地を一歩一歩力強く踏みしめながら外への散策を開始して……。
上記のあらすじにある通りのドキュメンタリー映画で、ナレーションも音楽もなく、あくまで農場の数日間をありのままモノクロで撮影されている。またどこの国のどこの地域の農場なのか分からない。
農場には色々な動物やら生物がいるが、この映画では豚と牛と鳥に焦点を当てている。なぜこの動物たちなのか、この動物たちは食肉として人々に食べられる動物たちである。食肉になる動物たちの真の姿を知ってもらうのはいいことだし、何より資本主義と過剰な食肉文化のせいで食肉が生き物であることを忘れるし、食肉のせいで人間と同じ生き物であるという側面を奪われている。また食肉と資本主義と気候変動は連鎖している問題で、気候変動の影響を一番受けるのはこの農場にいる動物たちだ。それを実感するドキュメンタリー映画であると思う。
