世界的ベストセラーであるJ・R・R・トールキンの「指輪物語」を映画化した傑作ファンタジー3部作の第1部。監督はピーター・ジャクソン。ホビット族が平和に暮らすホビット庄の青年フロド・バギンズは、111歳の誕生日を機に旅立つ養父ビルボが残していった、ひとつの指輪を手に入れる。しかし、その指輪こそ、かつて冥王サウロンが作り出した、世界を滅ぼす魔力を秘めた禁断の指輪だった。遥か昔に肉体を滅ぼされたサウロンは、指輪に封じ込めた力を解放し、再び中つ国を支配しようと徐々に魔力を強め、世界には暗雲が漂っていた。指輪を破壊するには、遥か彼方にある滅びの山の火口に投げ捨てるしかなく、フロドは人間やエルフ、ドワーフの各種族から集まった旅の仲間とともに幾多の危険が待ち受ける旅に出る。2022年には、日本公開20周年を記念し、4Kリマスターされた3部作(劇場公開版)がIMAXで初公開。
まず一言。IMAXでの再上映にありがとうを言いたい。この際復刻版のパンフレット売り切れは受け入れよう。映画のクオリティやアイコニックさは改めて言及する必要はないと思うので、改めて感じたことを。
映画の冒頭のホビット庄にて久しぶりに再会したビルボとガンダルフがパイプの煙をふかしあっているシーンは性行為の隠喩化と思った。そもそも指輪を持つフロドがかなり女性化されており(旅の仲間たちでいうなら姫的なポジション)、それを守るのが男たちであり、その女性化されたフロドの持つ指輪を捨てるみたいな話で、えらくホモソーシャルな話だ。
みんな受け身みたいな行動動機の中でいかに自分の目的を見出していくか、運命に抗えるかみたいな話でもありとても神話的で、それを助け合うのが仲間たちなのでそりゃ観ていて興奮するに決まってるじゃないか。
そしてやっぱりサムは本当に良い奴だし、大物だと思う。だってあのガラドリカルを見ても臆することなく過ごしていたもん。