@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ホワイトバード はじまりのワンダー』

 

『ホワイトバード はじまりのワンダー』 (White Bird) [2024年アメリカ]


いじめによって学校を退学処分になり、自分の居場所を失っていたジュリアンのもとに、パリから祖母サラが訪ねてくる。孫の行く末を心配するサラは、彼に自身の少女時代について語りはじめる。1942年、ナチス占領下のフランス。ユダヤ人であるサラは、学校に押し寄せてきたナチスに連行されそうになったところを同じクラスのいじめられっ子の少年ジュリアンに助けられ、彼の家の納屋に匿われる。クラスでいじめられていたジュリアンに全く関心を払わなかったサラを、ジュリアンと彼の両親は命懸けで守ってくれる。サラとジュリアンが絆を深めていくなか、終戦が近いというニュースが流れるが……。監督はマーク・フォースター。出演はヘレン・ミレン(サラ)、アリソン・グライザー(サラ)、ブライス・ガイザー(ジュリアン)、オーランド・シュワート(ジュリアン)、ジリアン・アンダーソン(ヴィヴィアン)ほか。

 

 2017年の映画『ワンダー 君は太陽』の後日譚の立ち位置の映画だが、前作を観ても観てなくてもあまり関係ない感じで、本作を独立作品として観て良い感じだ。おそらく本作を観て一番思い出すのは『アンネの日記』だと思うし、特にサラのジュリアンへの思いを語る場面などは『アンネの日記』らしい。サラはジュリアンと結婚の約束するが、これは「若いけど大丈夫か」と一見たいへん無謀に思える行為なのだが、サラはまさに明日も生きていけるか分からない状態の中で、唯一未来に希望を抱けるのがジュリアンとの結婚で、その約束をすることで明日を生きていこうと思えるし、あのプロポーズのシーンはとても説得力がある。だからこそあの後起きる悲劇は大変悲しいのだ。

 

 ただ私は本作を観てやはり頭に思い浮かぶのはガザに始まるイスラエルによるパレスチナへの侵略だ。特にラストのサラの平和と優しさへのスピーチなど、未来や過去についての映画であればあるほど、「じゃあ現実は、今は、どうなんだ」という思いが強くなる。本作で言及される"優しさ"が少しでもパレスチナに向けられて欲しいと思う。