@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ライオンキング:ムファサ』

 

『ライオンキング:ムファサ』 (Mufasa: The Lion King) [2024年アメリカ]


息子シンバを命がけで守ったムファサ王。かつて孤児だったムファサの運命を変えたのは、後に彼の命を奪うスカーとの出会いだった。両親を亡くしひとりさまよっていた幼き日のムファサは、王家の血を引く思いやりに満ちたライオン、タカ(後のスカー)に救われる。血のつながりを超えて兄弟の絆で結ばれたムファサとタカは、冷酷な敵ライオンから群れを守るため、新天地を目指してアフリカ横断の旅に出る。監督はバリー」・ジェンキンス

 

 2019年の超実写版『ライオンキング』の前日譚である。負け戦だと分かっていて、厳しい戦いの中でできた映画だと思う。特に監督はあのバリー・ジェンキンスなのだが正直彼の良さが全く生かされてないし、ビジュアル面も2019年の『ライオンキング』と変わりないし(元々凄い高レベルの視覚効果なのだが)、もともとアニメが原作でさらにそれの前日譚という制限だらけの状況の中だし、悪い面が目立つレベルの高い映画って感じだった。肝心の音楽もリン=マニュエル・ミランダは頑張っているんだが(彼の音楽は日本人からすると難しいというのは十分理解できる)、本作の中で一瞬だけ『ライオンキング』のあの馴染みの音楽や歌が流れてくると「あ~こっちのほうが良い」と思ってしまう。それだけでも本当に厳しい戦いだっただろうなというのは伝わってくる。

 

 何となく本作を観て思ったのは「バリー・ジェンキンスは『ブラックパンサー』を作りたかったんだろうな」である。立場や育ちが違うムファサとタカを比較したり、最後はシンバの息子が生まれ次の王に期待するラストも『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』みたいだった。ただ『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』でもシュリという王女の誕生を描いたとにラストに王の息子が生まれてくるっていう古い感じが批判されていたと思うが、まさか同じようなことをまたディズニーがやって来るとは思わなかったし、残念だ。プライドランドの家父長制や血のつながりをやんわり批判するセリフとかは良かったけど、結局ムファサは"王"にはなるのだから、本作はムファサの家父長制の言い訳みたいな映画だったと思う(そもそもディズニーが王国を否定する話を作るわけない)。またタカとムファサの関係が悪くなった原因が"女性"っていうのも2024年にディズニー映画として公開される作品として正しいのかと素直に感じた(今どき「それかよ」って純粋に驚いた)。