『アクアマン/失われた王国』 (Aquaman and The Lost Kingdom) [2023年アメリカ]
はるか昔、南極の氷河の奥深くに封印された「失われた王国」。そこには、世界を滅亡させるほどの力を持つ伝説の古代兵器ブラック・トライデントがあった。ある日、アクアマンへの復讐を誓うブラックマンタがブラック・トライデントを見つけ出し、邪悪な力が解き放たれてしまう。5億もの海の生物を操ることのできる海底アトランティスの王アクアマンは、かつてない脅威から海と地上の世界を守るため、仲間たちとともに立ち上がるが……。監督はジェームズ・ワン。出演はジェイソン・モモア(アーサー/アクアマン)を始め、パトリック・ウィルソン(オーム)、ニコール・キッドマン(アトランナ)、アンバー・ハード(メラ)、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世(ブラックマンタ)、ランドール・パーク(シシ博士)ほか。
アメリカではヒーロー映画不発の流れが尾を引いて本作も興行が微妙かつ批評受けも悪いらしいが、ユーモアあって程よく冒険モノなので私はとても楽しかった。確かにストーリーは単調だし、ユーモアが過ぎるかななんて思ったけど、ちょっと前のヒーロー映画なんてみんなこんな感じだったよね。
おそらく監督のジェームズ・ワンが『スター・ウォーズ』と『スター・トレック』が好きすぎるのを全く隠さず、本作の中で盛大にオマージュを捧げている。シシ博士が航海日誌みたいなモノをナレーションでつけている演出はもろに『スター・トレック』だし、ブラックマンタが失われた王国から授けられた古代の乗り物がまんま『スター・トレック』で、かつ『スター・ウォーズ』の帝国軍みたいな制服も着ていた。またアーサーとオームが2人でアーサーの宿敵に会いに行くシーンなんて、もろハン・ソロとジャバザハットだった。是非『スター・ウォーズ』か『スター・トレック』の新作はジェームズ・ワンに監督させてあげて欲しい。
本作では失われた王国だけでなく、失われた兄弟の絆を確かめるのが重要なテーマであり、それが面白いのだけど、逆に前作ほどメラやアトランナなどの女性たちが活躍しないのが残念だった。