@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『マイ・エレメント』

 

『マイ・エレメント』 (Elemental) [2023年アメリカ]

 

火、水、土、風のエレメントたちが暮らすエレメント・シティ。家族のために火の街から出ることなく父の店を継ぐ夢に向かって頑張っていた火の女の子エンバーは、ある日偶然、自分とは正反対で自由な心を持つ水の青年ウェイドと出会う。ウェイドと過ごすなかで初めて世界の広さに触れたエンバーは、自分の新たな可能性、本当にやりたいことについて考え始める。火の世界の外に憧れを抱きはじめたエンバーだったが、エレメント・シティには「違うエレメントとは関わらない」というルールがあった。監督はピーター・ソーン。出演はリア・ルイス(エンバー)、マムドゥ・アチー(ウェイド)。

 

ピクサーが久しぶりの正面から恋愛を描いた良作だった。エレメントは人種で、エレメント・シティはアメリカのことだろうけど、エンバーとその両親のモデルは監督と監督の両親がモデルだそうです。最後に写真も出てきます。ピクサーでこの手の演出珍しいよね。こんなに個人的な物語をよく作ったと思うよ。エブエブと合わせて観たいな。2つともアメリカに移民した東アジア系の家族の話で、両親の期待にそれたけど変わらず受け入れて愛してくれてありがとう、贖罪と感謝を描いていたが、その世代の子供たちが今はクリエイターに多く損座しているということだろう。ピクサーくらい大きな会社だったむしろ半分くらいは外国にルーツがある人だろうしね。

 

 エンバーとウェイドの恋愛以外の描写も面白くて、アニメーション表現の幅広さも同時に感じたりして、水と火にひっかけたジョークも面白くて、そのニュアンスを殺さずになんとなく訳した字幕には感謝する。ただしウェイドのきょうだいをノンバイナリーなのに妹と訳したそうでそこは公式が謝罪してもいいかも。


 感情のおさえ方がむずかしくてできない癇癪持ちのエンバーが感受性は豊かなウェイドにかんかされるのも男女のステレオタイプをへんかんさせているみたいで面白い、監督は男性だがエンバーは女性なので、この辺の取り組みもエブエブに似てる。『私ときどき、レッサーパンダ』でも主人公の女の子が感情のコントロールができなくて悩んでいたが、東アジア系と感情のコントロールは作家の共通点で描きたいことなのだろう。

 

 ウェイドの家族が遊んでいたマルコ・ポールごっこは本当にあるのか、『モダン・ファミリー』の独自のギャグだと思っていたので。