@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『オットーという男』

トム・ハンクスおたくのナードっぽい感想です

 

 

『オットーという男』(The Man Called OTTO)

 

町の嫌われ者でいつもご機嫌斜めなオットー。曲がったことが許せない彼は、近所を毎日パトロールしてはルールを守らない人に説教を垂れ、挨拶をされても仏頂面で、野良猫には八つ当たりをするなど、面倒で近寄り難い存在だった。しかし、そんなオットーも人知れず孤独を抱えている。最愛の妻に先立たれ、仕事も失った彼は、自らの人生を終わらせようとしていた。ところが、向かいの家に越してきた陽気な女性マリソルとその家族が、なにかと邪魔をして、死のうと思っても死ぬことができない。しかし、そんな迷惑なはずの一家の出現が、彼の人生を変えてくことになる。

2022年アメリカ製作。上映時間は126分。レイティングはG。日本配給はソニー・ピクチャーズエンタテインメント

監督はマーク・フォースター。出演はトム・ハンクス(オットー)、マリアナ・トレビーニョ(マリソル)、レイチェル・ケラー(ソーニャ)、トルーマン・ハンクス(若き日のオットー)ほか。

 

 リメイク元のスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』もしっかり観た記憶が鮮明に残っているくらいすぐのハリウッドリメイク作品って感じである。もちろんリメイク元にはかなわないな思うところはいくつかあるが、本作もそこまで悪くない。数字は正直でアメリカでは結構ヒットしたそうだ。日本でもけっこう公開範囲が広いのでトム・ハンクス人気を感じてファンとしては嬉しい限りだ。ただしこれより最近のトム・ハンクスなら『幸せへのまわり道』『この茫漠となる荒野で』『フィンチ』のほうがよっぽど良かったけど。なにぶん後ろ2作はストリーミング公開だったので日本だと映画ファンの琴線に触れることなくもったいなかったなと。(オタク警報発令中)

 

 実はリメイクのアイデアトム・ハンクスのパートナーで本作ではプロデューサーと主題歌を務めているリタ・ウィルソンが発案らしいが、リタ・ウィルソンはトム・ハンクスにこういう役を演じて欲しいと思っているのかなーなんて思ったり。逆にトム・ハンクス本人がこういう役をやりたいのかなーと思うが、本人の意向はどうであれ奥さんに頼まれたら演じるというのが何とも奥さん第一主義のトム・ハンクスらしいっちゃらしいなと思う。二人の子息であるトルーマン・ハンクスが若きオットーを演じていて、本作はしっかりファミリービジネスなんだなとも思う。トルーマンくんもトムにそっくりだ。ちなみに長男のコリンくんはもっと若い時のトムに似ているぞ(オタク警報2回目発令中)

 

 ちょうどこの映画が公開されたタイミングでアメリカではエンタメ界の縁故主義(ネポベイビー)が話題になっていたので、この映画のプロモーション活動で案の定話題の集中にされたのだが、トム本人は「この業界はファミリービジネスだ」と言っており、まあ確かになーという感じである。役者とかモデルばかりネポベイビーの話題になるが、もっともネポベイビーが多いのってエンタメ界の裏方とか芸術部門とか技術部門とかの方だと思うので。(私からしたら幼い時から芸術と映画に自然と触れているアメリカ人は全員羨ましいし、それここアメリカ人全員が映画文化のネポベイビーに見えてくるぞ笑 まあこの話題はこれくらいで)

 

 元の作品がスウェーデンが舞台なのだが、本作は話はそのままでそれ以外は結構アメリカナイズされている。例えばオットーは戦争に参加できなかったことをコンプレックスに思っているし、隣人の男性とは車の車種について争う。オットーからしてみれば日本車はアウトらしいです。クラシックカーを愛しているという設定はオットー世代のアメリカ人男性を表現するのに分かりやすい。

 

 オットーは一応偏屈オジサンらしが、おじいちゃんでもあるのかな。一応トム・ハンクスは66歳だし、お孫さんいるし。他のAリストにいる男性役者と比べれば相手の女性役者はいつも同じ年齢だし、女性監督の作品にはよく出演しているし、現場とか相手の女性の役者さんから映画とかトムがいない現場や関係ないインタビューでも優しい人だとかいう評価を聞くくらいだ。(オタク警報3回目発令中)

 

 偏屈というには人種差別しないし、土地高騰には怒るし、何よりトランスヘイトをしない人だ。いくら偏屈でも人として差別や偏見はしないのがマストなのだ。それだけ彼がどういう人なのか説明できるし、ここが一番アメリアでリメイクしたなっていうのを感じた。オットーのこの辺の性格は絶対に妻のソーニャの影響だと思うが(実際素晴らしい性格の持ち主であることは説明される)、なにぶん若い時の描写しかなかったのでもっとオットーとの夫婦生活みたいなのを描いても良かった気がする。これはリメイク元のスウェーデン作品でもそうだったので、そのへんはもっとアメリカナイズされた脚色しても良かったのでは。

 

 オットーが自殺しようとする描写が何個あるのだけど、それがすごくリアルで思わず息をのんでしまう。エンドクレジットでは自殺防止のホットラインがのっているのが、これは日本のクレジットでも独自に自殺防止や鬱についてのホットラインをうつしても良かった気がする。

 

 ただし私はトム・ハンクスの困り顔が大好きなので、この映画でもずっと困っていたのでそこは良かった。トム・ハンクスは困れば困るほどいい映画だ。うんうん。(オタク警報4回目発令中)