父なる神はあてにならないから、女の徳に頼ろう
『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
1981年、家主を刃物で22回刺して殺害した青年アーニー・ジョンソンは、悪魔に取り憑かれていたことを理由に無罪を主張する。心霊研究家ウォーレン夫妻は被告人を救うため、姿なき存在を証明するべく立ち上がる。警察に協力しながら調査を進める夫妻だったが、とてつもなく邪悪な“何か”に追い詰められていく。
毎度のことだが、このシリーズはホラーではなくミステリーものだと思うので、もうそっちの方向で押していけばいいと思うくらい、本作もミステリーものだった。そもそもホラーの要素は薄く、音で驚かす系のホラーだから少し下品だ。
本作は魔女が悪魔を呼び出して呪うという設定で、それと戦うという設定だ。その魔女が積極的に呪いをかけるのが、男性に対してで、女性はその男性を守ろうと奮闘する。愛のためにだ。女の徳についての映画だった。いつも父なる神の力を借りて、幽霊たちと戦うシリーズであるが、本作はその父なる神があまり役に立たないのが面白かった。
しかしその魔女がどうして、悪魔を償還するようになったのかについては描写が薄く、その辺はもう少し掘り下げてもいいと思った。