女性には力がある.....
『死霊館のシスター』(The Nun)
1952年のルーマニアにある修道院で修道女が自殺した。調査するために、フランス系カナダ人の青年とバチカンから司教と見習いの修道女が派遣され、死の謎を探求していく中で、悪魔の尼僧(ヴァラク)が浮き上がってくる。その中で3人はヴァラクを封印しようとする...
『死霊館』や『アナベル人形』シリーズはテレビなどでしか観たことがなくいつも通りならスルーしていたと思うが、今作品がアメリカで公開されるや否や大ヒットを記録したため、これは観に行かなければと思い、ホラー映画は苦手だけど観に行くことにした。また今作は『死霊館』シリーズの時系列で一番古いらしいので、初めて見る方でも違和感なく見ることができると思う。
私はホラー映画が苦手で正当に評価できないのを承知で書くのだが、まず怖いかと聞かれればあまり怖くはなかった。なんなら予告編のほうが怖い(笑)なぜなら今作で一番怖いであろうヴァラクが念力みたいな力を使うのでそこでどうも興ざめしてしまう。
個人的に面白いと思ったのが、ルーマニアの修道院が舞台である点です。ルーマニアはドラキュラ伝説の元になった人物がいたり、古城がたくさんあったり、魔女が政府から職業として認められてたり(こちらは税金対策の面が大きいですが)と非常に面白い国で、そこがホラー映画の舞台になるのはピッタリだと思う。
また修道院が舞台というだけに非常に女性(修道女)の力が描かれていた作品でもあった。カソリックの女性信仰いうかマリア信仰が下地にあった。まずヴァラクが憑依して修道院からルーマニアの街に出てこないように、事件の発端となった修道女はあえて神に逆らい自殺という判断をした。そうすることで街の人々を修道女が救った。
主人公の修道女のセリフにあるようにヴァラクの居場所は「マリア様が示し」ていたし、なによりキリストの血を使ってヴァラクを倒したのはその修道女だ。非常にカソリックの中の女性の力を感じる作品だった。