
『私のすべて』 (Mon inséparable) [2024年フランス]
パリ郊外に暮らすシングルマザーのモナは、若くして授かった発達に遅れのある息子ジョエルをひとりで育ててきた。現在30歳過ぎのジョエルは、障がい者のための職業作業所で働いている。モナとジョエルは互いを支え合い、いたわりながら暮らしてきた。そんなある日、ジョエルと同じ施設で働くオセアンが、彼の子どもを妊娠する。2人の関係について何も知らなかったモナは動揺し、母子の絆も揺らぎはじめる。監督はアンヌ=ソフィー・バイイ。出演はロール・カラミー(モナ)、シャルル・ペッシア・ガレットほか。
障害を持っている息子と何とか暮らしながら恋愛もするっていう話だと『山逢いのホテルで』と似ていると思う(ただ本作の場合は介助というより生活支援に近いし、行きづりの恋愛をしている訳でもない)。どちらかというと障害者の恋愛を扱ったフランス映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』との比較の方が正確かな。
障害を扱った作品は数あれど、本作のように障害者の結婚・妊娠・出産を扱った作品は少ないので、けっこうめずらしい作品だなと思った。最後は前途多難だけど若い二人のカップルには幸せが待っているよと幸福の余韻を残してくれている。どんな状況でも個人には恋愛する自由があるんだという、非常にフランス映画らしい映画だ。