『ハリエット』
奴隷制時代に実在した黒人奴隷を解放させるために活動した黒人女性の話で、監督も黒人女性であるKasi Lemmons(『羊たちの沈黙』に出演していた)さん。とてもクールな伝記映画だった。奴隷制の複雑性や残酷性だけでなく北部と南部で黒人の置かれた環境に違いがあることも描いている。その中でもハリエットが南部のプランテーションから黒人たちと一緒に逃亡していく姿には感心するし、映画としてもよく出来てる。脚色がすぎるのではという意見もあるみたいだが、歴史を翻って作られた男性たちの伝記映画なんて脚色だらけだ。また途中歌が差し込まれるシーンがあり(それがハリエットが助けに来た合図でもある)、ミュージカル映画にしても良いのではないかと思うくらいである。