『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』 (Stop Making Sense) [1984年アメリカ] [2023年4Kレストア]
トーキング・ヘッズが1983年に行ったライブを記録したドキュメンタリー。監督はジョナサン・デミ。撮影監督はジョーダン・クローネンウェスが撮影を担当。出演はトーキング・ヘッズほか。
ジョナサン・デミが監督しているだけあってやはり撮影スタイルはカッコイイ。ちょっと『アメリカン・ユートピア』とは比にならないくらいだ。でもパフォーマンスの間にMCやメッセージがある『アメリカン・ユートピア』の方が"話"としては好きだ(ライブドキュメンタリーに話を求めるのも可笑しな話だが)。『ストップ・メイキング・センス』はいわばデヴィッド・バーンが家を燃やして自分は今どこにいるのかをちょうど模索していて社会変化を起こそうとする前の自分って感じで、『アメリカン・ユートピア』のデヴィッド・バーンは明確に家を出てもしくは他者を迎え入れて社会変革を起こそうとしている自分だ。そのデヴィッド・バーン自身の変化を感じることができるので2023年にレストアされてとても意味のある作品になっていた。
もちろんデヴィッド・バーンの奇妙な踊りや衣装はとても興味深いし、バンドとサイドバンドの息のあった演奏や歌は大変魅力的だ。デヴィッド・バーンも魅力的だが、やはりトーキング・ヘッズとベーシストのティナの魅力はちょっとそれを上回るくらいだ。
歌すべてに字幕が入っていて大変助かるのだが、1つだけ気になったのが、字幕ではデヴィッド・バーンの一人称が"俺"だったのだが、どちらかというとデヴィッド・バーンの一人称は"私"に近いと思うのだが。