『イビルアイ』 (Mal de ojo) [2022年メキシコ]
都会に住む13歳の少女ナラは、奇妙な病気にかかった妹の療養のため、家族とともに母の田舎であるラスアニマスという村にやってくる。そこには年老いた祖母がひとりで暮らしていた。祖母と過ごすうちに次第に不穏な空気が漂い始め、ナラは祖母の不可解な行動から、彼女が人間ではない何者かであると疑い始める。妹の容体はさらに悪くなっていき、家政婦の突然死など不吉なことが続き、村と祖母に隠された秘密が徐々に明らかになっていく。監督はアイザック・エスバン。出演はオフェリア・メディーナ(ホセ)、パオラ・ミゲル(ナラ)ほか。
同じキワモノ系映画なら『ヴァチカンのエクソシスト』より本作の方が面白かった。究極の女性映画だからね。老人コワイ系ホラーだけど、女性たちによる魔女映画だかね、男性は主人公の父親みたいな秘密を知らない種付け的な存在だ。そうすると魔女の継承がテーマの『サスペリア』の装い強くなるんだよね、カソリックが土着にあるのもきっとそうだろう。
ホラー映画の類だけど、丁寧な映画でこの映画で起こる怖いことは最初にメイドの女の子が主人公にしっかり物語テイストで伝えていて、それから逸脱することは怒らない。予定調和を楽しむ映画だけど、それがすごく楽しい。
女の子が男性への恋心と嫉妬心を覚えて、かつ家事藤堂に従事するモチーフはおとぎ話の定型だし、もしかして子供向けに作ってるのかなと思うが、セックスのシーンが結構煽情的なので大人向けだろう。このシーンは笑ってしまうのだが。