そもそもこの家族を破壊したい
『ミラベルと魔法だらけの家』(Encanto)
コロンビアの奥地にたたずむ、魔法に包まれた不思議な家。そこに暮らすマドリガル家の子どもたちは、ひとりひとりが異なるユニークな「魔法の才能(ギフト)」を家から与えられていた。しかし、そのうちの1人、ミラベルにだけは、何の力も与えられていなかった。力を持たずとも家族の一員として幸せな生活を過ごしていたミラベル。ある時、彼らの住む魔法の家が危険にさらされていることを知った彼女は、家族を救うために立ち上がることを決意する。
まずアニメーションの技術がすごい。ミュージカルシーンで動きが大きいシーンがたくさんあるのに、画面の奥の方まで実に細かくアニメーションされていて本当に凄い。特に冒頭のミラベルがマドリガル家について説明する歌唱シーンの街描写なんてすごすぎて、90年代のディズニーアニメ金字塔の『美女と野獣』がしょぼく見えるレベル(笑)
次に音楽が良い。あのリン・マニュエル・ミランダが作ってるだけあって一曲一曲が外れなしで、かつ主要の登場人物に一人一人に曲がある。またリン風味の歌詞センスというか韻を踏むセンスがちゃんと生かされていて、それなのにちゃんとディズニーの曲に昇華されていてこの人の才能は本当に凄いなとしか。だけどメインとなる曲があまりないのでその辺は少し地味な映画かもしれない。
と最初に褒めておいて難だが、ストーリーは恐ろしく嫌いだ(笑)まず所詮ディズニーだなと思うのは愛とか魔法とか讃えるのに自由は本当に興味ないんだなと思った。ミラベルは自分を否定しまくる家族に認められたい一心で努力しまくるのだが、果たしてこの家族にそんな魅力あるか?クソ家族だよね。ミラベルがこの家族から自由になって、魔法なんてクソくらえ的な感じで部屋のドアを壊してくれたらどんなに良かったか。