@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ファイター、北からの挑戦者』

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『ファイター、北からの挑戦者』(Fighter)

 

ソウルの小さなアパートにたどり着いた脱北者のリ・ジナ。残してきた父を呼び寄せるため多くのお金を稼ぎたい彼女は、食堂と清掃の仕事を掛け持ちする中で、ボクシングジムの館長とトレーナーのテスと出会う。悲惨な過去と怒りを抱えるジナは彼らに対して壁を作るが、館長とテスはそんな彼女の中に静かに燃えるファイティングスピリットを感じ取る。ボクシンググローブを手渡されたジナは、次第にボクシングの世界にのめり込んでいく。

 

 最近観た『アンテベラム』でも自分の無知さを痛感したけど、本作でも同じく無知を痛感したというか、私が北朝鮮情勢を知るのって結局テレビのみで、日本のテレビを観る限り北朝鮮の人々について知れるのは本当に限られた情報や一部の表象のみだ。そんな私や本作のジナの周りにいる人々に向けて、ジナは北朝鮮にだって人々は住んでいて、生活を送っているのだと発言する。

 

 この映画ではかなり北朝鮮から逃れてきた人々この映画での言葉を引用するなら「脱北者」たちの人生やリアルに寄り添って作ってある。特にジナの母が自分とは違う家族を韓国で作っていて、ジナ自身や母親との再会でかなり気まずい雰囲気になるところとか、かなりリアルだし実際にこういう家族は韓国にたくさんいるだろうなと思う。また映画の中でステレオタイプを楽しんできた韓国映画の観客に向けて手厳しい一言も浴びせる。私も常々韓国映画の中にある北朝鮮出身者の人々の描き方に違和感を抱いていたので、ジナの一言はかなり共感した。

 

 ジナの他人に対して不器用だけど、ひとつのスポーツを通して周りとの交流を持とうとしたりするのは同じく韓国映画の『野球少女』に似ているなと思った。(こっちも母と娘の物語であった) 両方とも合わせて観たい作品だ。