@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ソング・トゥ・ソング』

この映画が2020年最後の映画だなんてクソすぎる

 

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『ソング・トゥ・ソング』(Song to Song)

 

テキサス州オースティンの音楽業界。そこは夢を追い求める者たちで溢れた世界でもあり、誘惑と裏切りに満ちた世界でもあった。そんな世界で生き抜く2組のカップルの姿を描き出していく。

 

 監督はテレンス・マリック。出演はマイケル・ファスベンダー、 ライアン・ゴズリング、 ルーニー・マーラ、 ナタリー・ポートマン、ケイト・ブランシェットが出てる。そしてカメオ出演としてフローレンス・ウェルチ、リッキー・リー、パティ・スミスイギー・ポップ、レット・ホット・チリ・ペッパーズとうが出ており、とにかく豪華な映画で年末に観るには景気が良い。

 

 しかし脚本が好きじゃない。セリフが映画の核をなしておらず、重要なことは全て音楽と詩みたいなナレーションに任せており、正直言ってずるくないかと思う。しかも映画の撮り方が支離滅裂なシーンをつなぎ合わせて首尾一貫してないし、さらにカメラのうつりかわりが激しく疲れる。このスカスカな脚本にこの撮影方法は完全に観客を見放しているとしか思えない。悪いけど最低だと思う。77歳のおじいちゃんだからと言って遠慮せず言わせていただくと、才能が無いと思う。普通に撮れよ。

 

 まず音楽を志す若者たちの話なのに登場人物たちが全く歌に興味がないというか、たぶん映画もそこを重要視していない。さらに恋愛が物語のメインなのに、登場人物、特にクック(マイケル・ファスベンダー)とフェイ(ルーニー・マーラ)が魅力が無さすぎる。まずこの二人の関係がただのDVのような関係である。クックが社会的地位や財産を悪用し、フェイを身体共に傷つけるだけでなく、経済力をちらつかせて離れない関係にさせており、本当にヤバイ関係だ。それなのにこの映画はこのDVのような関係をとてもスタイリッシュに描いており、倫理的に問題あるしそもそも恋愛を馬鹿にしているのではないか。特に女性たちして病的な価値観を持ち合わせているクックを魅力的に描いている時点で(まあ『ツリー・オブ・ライフ』の監督だしな)、映画としての魅力を失っている。しかもクックを演じるのが過去に恋人にDVしたマイケル・ファスベンダーが演じているのはマズイのではないか。そんなクックの乾いた心を潤すかのように登場するナタリー・ポートマン演じるロンダとの関係はさらにヤバイ。これも経済力をちらつかせて結婚したあげく、DVをしてそしてよく死因が分からずロンダは死ぬのだ...は~!?ふさけんなよ。ミソジニーがヤバイ。私のナタリーを返してよ!そしてロンダが死ぬと突然、クックはもう映画に登場しなくなる。はあ?支離滅裂すぎる。

 

 そして次にフェイだ。クックと別れて?BV(ライアン・ゴスリング)と付き合う。それなのにフェイはクックとまたセックスしたり、町であった年上の女性ゾーイと恋仲になる。はあ?よく分からない。父親との関係が昔からよくないからフェイはこういう恋愛関係しか築けないという感じにしたいんだろうけど、なにせ脚本がスカスカだから、やっぱりよく分からない。しかもゾーイとの関係もすぐ終わって、またBVと恋人に戻るのも、正直レズビアンをバカにしてるし、ここもミソジニーがヤバイ。てかテレンス・マリックは父親との関係にしか映画の中で興味ないんだろうね。それでミソジニーが出ちゃっている。だったら女性を描かなくていよいよ。"わからずやのパパと甘やかされたボク"との関係に焦点を当てた映画をつくればよかったんだよ。

 

 しまいにミソジニーがヤバイと感じたのはBVがフェイと別れた後少しの間年上の女性アマンダ(ケイト・ブランシェット)と付き合うんだけど、BVの母親に悪く言われただけですぐ別れるとか、年上の女性は年下の男性と付き合ってはいけないのか。ケイト・ブランシェットですよ。私のケイトを返してよ!

 

 まあとにかく全体的にひどい映画だった。とにかくこの映画の登場人物は恋愛して他人に自分の心を満たしてもらう前に、人以外に夢中になれる何かを見つけたほうがいいよ。それこそ歌を作るとかさ。しかし人間ドラマと音楽を作るということに焦点を当てている映画をよく作るジョン・カーニーは本当に素晴らしい監督だな。テレンス・マリックはジョン・カーニーの映画を観て勉強してください。そしてミソジニーを直してください。