『死霊館のシスター 呪いの秘密』 (The Nun) [2023年アメリカ]
1956年、フランスで起こった神父殺人事件をきっかけに世界に悪が蔓延する。ある特殊な能力を持つシスターのアイリーンは、教会の要請を受けて事件の調査に乗り出す。人々を救うため自らの命をかえりみずに祈りをささげるアイリーンは、ついに悪の元凶である恐怖のシスター、ヴァラクと対峙する。監督はマイケル・チャベス。出演はタイッサ・ファーミガ(アイリーン)が演じた。
宣伝からはちっとも伝わってこないが一応本作は『死霊館のシスター』の続編だ。個人的には前作を観てなくても楽しめるように作られていると思うが、やはりヴァラクさんの闇落ちたカッコよさと力強さは前作の方が良かった気がした。
しかし本作はThe Nunとタイトルにあるだけあってアイリーンを始め全体的に女性の登場人物が多く、ちょっと歪んでるけど究極の女性映画だと言える。ラストのアイリーンがヴァラクに追い詰められたときにすがったのが父なる神ではなく、母親との思い出だったのが、結構斬新だと思うし、非常に世俗化された映画だと思う。そもそも監督のマイケル・チャベスが手掛けた過去作の『死霊館のシスター』『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』でもけっこう「父なる神はあてにならないから女性のもしくはマリアの徳にすがろう」みたいなオチにしていたし、そういうのが好きなのだろうな。