『ベイビー・ブローカー』(Broker)
古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョンと、赤ちゃんポストのある施設で働く児童養護施設出身のドンスには、「ベイビー・ブローカー」という裏稼業があった。ある土砂降りの雨の晩、2人は若い女ソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づいて警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく赤ちゃんを連れ出したことを白状する。「赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしていた」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、サンヒョンとドンスを検挙するため尾行を続けていた刑事のスジンとイは、決定的な証拠をつかもうと彼らの後を追うが……。
監督は是枝裕和。出演はソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナほか。
簡単な感想で申し訳ない。ベイビー・ボックスに赤ちゃんを預ける女性だって一人の人間であり決して無責任ではない、一言では片づけられない複雑な事情を抱えているんだということを表現したいのなら、この映画は失敗だ。むしろベイビー・ボックスに赤ちゃんを置く無責任な母親というステレオタイプを強化しているようにしか感じない。それにソン・ガンホとカン・ドンウォンをキャスティングいておいて何だこの幼稚な男性観は。呆れる。やっぱり是枝監督って能天気なんだよな。社会問題に興味はあるけど関心はないんだよ。さっさと日本に戻ってきて、日本人キャストでもう一度一から映画作りをしてください。まあ『真実』よりかはだいぶマシだったけど。
