@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ネクスト・ゴール・ウィンズ』

 

ネクスト・ゴール・ウィンズ』 (Next Goal Wins) [2023年アメリカ・イギリス]

 

2014年に「ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦」としてドキュメンタリー映画の再映画化。米領サモアのサッカー代表チームは、2001年にワールドカップ予選史上最悪となる0対31の大敗を喫して以来、1ゴールも決められずにいた。次の予選が迫る中、型破りな性格のためアメリカを追われた鬼コーチ、トーマス・ロンゲンが監督に就任し、チームの立て直しを図るが……。監督はタイカ・ワイティティ。出演はマイケル・ファスベンダー(トーマス)、オスカー・ナイトリー(タビタ)、カイマナ(ジャイヤ)、エリザベス・モス(ゲイル)ほか。

 

 初めと終わりに監督であり本作のナレーターでもあるタイカ・ワイティティが登場して「これは強く脚色した白人の救世主物語ですよ」と説明することで、観客に笑いの赦しを与える丁寧な設定であるが、少し卑怯な気もする。まあ低予算映画だし、気軽に観てねって感じか。全体的にテンポよく、笑えるギャグとかドタバダとかが多い。サモアが映画の舞台だけど撮影はほとんどハワイで行ったらしいが、サモアにルーツがある人をキャスティングしてる。

 

 予告編であった通りのことしか起きない映画なので、あのABBAの曲を使った予告編は映画の全てを説明した予告編だったんだね笑 ただその肝心のABBAの曲が本編で使われず、寂しい。その代わりにDolly Partonの"9 to 5"とSiaの"Chandelier"とTears for Fearsの"Everybody Want to Rule The World"が使われていた。それにしてもオセアニア周辺の人たちにとってのSiaはスターなんだね。『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』でも同じように車の中で大熱唱しているシーンでSia使われていたし。どっちかというと、Siaの"Chandelier"の歌詞がオセアニア周辺文化あるあるを歌ったよくある出来事なのかもしれないね。

 

 白人の救世主(男)を笑い飛ばすギャグをいくつか入れている割には話の展開がどうしてもトーマスを中心に回りすぎている感じも受けた。例えば別れた元妻との描写もなんかとってつけたような感じだし(意味ありげにほほ笑むシーンを入れるためにエリザベス・モスをキャスティングしたのだろう)、亡き娘の思いをジャイヤに重ねるのもなんだかな。そもそもジャイヤを西洋的な父子関係を押し付けすぎだ。ジャイヤの名前を間違えてトーマスを殴っても、ジャイヤから謝罪するっていうのもきれいごとのように思えた。