『デトロイト』(Detroit)
ずっとハラハラさせられて落ち着くシーンが一切なかったが、最後は救いがあった。しかしハラハラさせるということはそれだけエンターテインメントに振り切った演出にしたということであり、それはあんまりよくない気がする。しかし、自分たちの所有物だと勝手に考えている女性や土地が傷つけられていると知った時の白人男性の欺瞞をこれでもかと描いていて男性の心理はかなりリアルだと思った。しかも「人権が絡むとやっかいだ」というセリフをある警官がはくのだが、あれは本心だなと思った。監督は『ハート・ロッカー』『ゼロ・ザーク・サティー』のキャスリン・ビグロー。彼女は男たちのホモソーシャルを上手に描く人だなと思う。