
『層間騒音』 (Noise) [2024年韓国]
聴覚障がいを持つ女性ソ・ジュヨンは、妹のジュヒが失踪したことを知らされる。以前、2人は団地で一緒に暮らしていたが、部屋で騒音が聞こえると主張するジュヒと、補聴器をつけてもその騒音が聞こえないジュヨンとで意見が食い違い、ケンカしたまま会っていなかった。ジュヒの部屋を訪れると、天井にびっしりと敷き詰められた防音シートを目にする。その直後、部屋に訪ねてきた隣人から「夜は静かにしてほしい」と苦情を言われ脅されるが、ジュヒが失踪して以来、部屋には誰もいないはずだった。ジュヨンは妹を捜すため部屋に泊まることにするが、やがて補聴器を通して奇妙な音を聞き、何かの存在を感じるようになる。監督はキム・スジン。出演はイ・ソンビン(ジュヨン)ほか。
韓国のホラー映画は日本と文化とか社会が似てる分(それは日本の支配を受けたので当然ですが)、映画を観ながら感じる"怖い"がより身近になるんだけど、本作で描かれる騒音とかご近所トラブルとか群衆に飲み込まれてしまい違和感がその人の"普通"になってしまうとかが、とにかく怖かった(もちろん古典的に大きな音を出す演出で驚かせる類のモノもあったけど)。
それに本作は騒音の正体は描いていても、なぜ人が騒音をだしてしまうのか"タタリ"の正体は謎にしたままで終わってしまうので、大変後味が悪いものになっている。それに主人公のジュヨンも最後はその団地の"違和感"に同化したままで終わってしまうのも後味が悪いのだが、『ヌルボムガーデン』でもそうだったが、韓国のホラー映画で住居がテーマだと、ラストを曖昧にしたままで終わらせがちになるのだが、これって自宅持ちの人たちからしたら恐怖そのものだよね。おそらく韓国でも持ち家を持つっていうことが相当困難だから、こういう終わりになるのだろうな(持ち家傾向が減っているのは世界中でも起きているらしい)。
あとこれは当事者の意見を聞かなければ判断できないことだが、聴覚障害の描き方はあれで正しいのか少し疑問である。そもそも本作で繰り返されるジュヨンに対する「全ての音をきかなけえればいいのに」というのは、少し酷いというか、それは"聞こえる人のわがまま"じゃないだろうか。韓国映画でもたまに「まだその描き方するの?」みたいなことをやっぱり思うことがあるので、そこは韓国映画に改善を期待するところだ。