
『シン・デレラ』 (Cinderella's Curse) [2024年イギリス・アメリカ]
継母と義理の姉たちからの虐待に苦しむ日々を送るシンデレラ。ある日、庭で見つけた不思議な本を読むと、彼女の前に魔法使いのフェアリーゴッドマザーが現れる。「舞踏会で王子様と踊りたい」と願ったシンデレラは、魔法の力によって舞踏会に参加することができ、憧れの王子と対面する。しかし王子や継母たちは、舞踏会に参加している人々の前でシンデレラのドレスを剥ぎ取り、全裸にして嘲笑する。辱めを受けたシンデレラは復讐を誓い、ガラスの靴を凶器に変え、邪悪な人間たちを残虐な手段で次々と血祭りにあげていく。監督はルイーザ・ウォーレン。出演はケリー・ライアン・サンソン(エラ/シンデレラ)ほか。
『プー あくまのくまさん』などを手掛けたITN Studiosがプロデュースしている作品であるので、スタッフなどが共通しているし、何より本作で出てくる森のシーンはおそらく『プー あくまのくまさん』に出てくる100エーカーの森と同じ盛だと思う。あの森、便利すぎるな(笑) 今年観た『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』と『メリーおばさんのひつじ』と比べると圧倒的に本作の方が面白い。そりゃ舞踏会のシーンとかエラが暮らしている家のみすぼらしさとか「低予算だな~」と思うシーンもあるけどさ、シンデレラがガラスの靴を凶器に暴れていくシーンとかフェアリーゴッドマザーの魔法で変身するシーンなどはすごく面白い。シンデレラ以上に狂気じみている継母のヴィランぶりも見ていて痛快だ。
エラが王子に騙されて聴衆の面前で裸にされ身体をまさぐられたり同意の無いキスをされたりと、それに激高して復讐するのである種のレイプリベンジもの映画である。ディズニーの実写である『マレフィセント』と同じエネルギーで作られている。またフェアリーゴッドマザーは3つの願いを叶えさせてエラの命を奪おうとするので、メフィストのようだし、ただの『シンデレラ』のホラー2次創作というりかは、色んな作品や昔話や神話の要素を上手に組み合わせていて巧みな映画だと思う。
あとエラが書いていた秘密の日記を公衆の面前で読み上げられていたので、あれはもう極刑に値する行為と言うか(あんまり冗談で言っていい言葉じゃないけどさ)、エラの怒りは至極当然というか、あれをシーンとして入れることで観客がエラの怒りに納得できるので、けっこう良い設定だなと思った。