
『グラディエーター 4Kデジタルリマスター』 (Gladiator) [2000年アメリカ] [2024年4Kデジタルリマスター]
古代ローマの皇帝アウレリウスは、信頼を寄せる将軍マキシマスに次期皇帝の座を譲ろうと考えていた。それを知った野心家の王子コモドゥスは父を殺して玉座を奪い、マキシマスに死刑を宣告。マキシマスは故郷へ逃れるが、コモドゥスの手下に妻子を殺されてしまう。絶望の中、奴隷に身を落としたマキシマスはやがて剣闘士として名を上げ、闘技場で死闘を繰り返しながらコモドゥスへの復讐の機会を狙う。監督はリドリー・スコット。脚本はデヴィッド・フランゾーニ。音楽はハンス・ジマー、リサ・ジェラルド。出演はラッセル・クロウ(マキシマス)、ホアキン・フェニックス(コモドゥス)、コニー・ニールセン(ルシラ)、スペンサー・トリート・クラーク(ルキウス)、リチャード・ハリス(マルクス)、デレク・ジャコビ(グラックス)、トミー・フラナガン(シセロ)、オリヴァー・リード(プロキシモ)、ジャイモン・フンスー(ジュバ)ほか。
今年公開される『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』の公開に伴い、4Kデジタルリマスターされた『グラディエーター』を観てきた。何度も自宅で観たことある映画であるが、やはり大画面で観れる機会は貴重だし、何よりデジタルリマスターされたことで映像や音が格段に良くなっている。『ブレードランナー ファイナル・カット』を観たときも、リドリー・スコット監督の美意識にえらく感動したのだが、本作も映像がクリアになればなるほどリドリー・スコット監督の細かいこだわりを感じることができて感想であった(ただし本作で監督であるリドリー・スコットはプロデューサーではなかったのでアカデミー作品賞を獲得してもオスカー像は獲得できなかったそうだが)。
映画自体はリドリー・スコット版『スパルタカス』と『ベン・ハー』と言ったところであり、さらに冒頭のマキシマスが奴隷になり砂漠にある闘技場に連れていかれるシーンは『アラビアのロレンス』みたいだった。あと本作観ながら『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の旅』ってずっと何かに似ているなと思っていたんだけど、『グラディエーター』に似ていたんだね。まあ話自体はよくある英雄譚と宮廷モノを掛け合わせたような話だしね。宮廷モノとしても正直もう少し詳しい描写したほうがもっと面白くなる素質があるんだけど(特にコモドゥスとルシラについて)、まあそこは映画のテンポだからね。ここを詳しく観たかったら『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズを観ればいいしね。それでも十分コモドゥスが実は賢くて怖い奴なんだというのと、民衆の愚かさみたいなものはしっかり伝わってきたよ。
映像的にも見どころがたくさんある映画で、冒頭の戦争シーンの見事さ、そして奴隷になってからグラディエーターになるまでの成りあがっていく一連の流れとか、もちろんローマに戻ってからの闘技場での戦いなど、細かいところまで凝っている。ただ『ナポレオン』でもそうだったのだが、リドリー・スコット監督はけっこう人間同士の間に生まれるケミストリーというか、ホモソーシャルをカッコよく撮ろうみたいな気がないのがけっこう面白い。本来だったらマキシマスと従者のシセロ、マキシマスと同じ奴隷の身であるジュバなど、男性同士の絆を美しく撮れる関係性がいくつもあるにも関わらず、けっこうどこか達観している感じがある。