@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ペンギン・レッスン』

 

『ペンギン・レッスン』(The Penguin Lessons) [2024年スペイン・イギリス]


1976年のアルゼンチン。人生に希望を見いだせずにいた英国人の英語教師トムは、名門寄宿学校に赴任する。軍事政権下で混乱する社会、そして手強い生徒たちに苦戦する中、トムは旅先で出会った女性とともに、重油まみれの瀕死のペンギンを救う。しかし女性にはあっさりフラれてしまい、トムのもとにはペンギンだけが残る。海に戻そうとしても不思議と彼のもとに戻ってくるペンギンを「サルバトール」と名付け、奇妙な同居生活が始まる。やがてトムは、サルバトールとの生活を通して、人生にとって本当に大切なものを取り戻していく。監督はピーター・カッタネオ。出演はスティーブ・クーガン(トム)、ジョナサン・プライスほか。

 

 ほんわかした雰囲気の映画なのかと思わせて、けっこうしっかりとした市井の人々による政治ドラマだった。現地の圧制された人々に感化され誰とも関わりたくなかった人間が変わるという話に加えて『今を生きる』のような学校映画の雰囲気もある。ペンギンも可愛い。ペンギンや詩を通して学校の子供たちが変化していくのも良い。こういうドラマ作品を定期的に製作するイギリス映画も「さすがだな」と思う。

 

 トムが一世一代の反抗を治安部隊のリーダーに対してするのだけど、それがすぐに影響を与えることなく、結局は誘拐されたあの女の子も時間がたって解放され、家族や周囲の人間はただ待つしかなかったのとかは、けっこうリアルというか、"今"の映画という感じがした。

 

 今年は軍事政権に対して静かに力強く反抗する『アイム・スティル・ヒア』などが南米の本国から作られ公開されていることもあり、正直本作で描かれている外部からやってきた"何にも関わりたくない"人間が、現地の市民と交流し、心変わりし政治に関わるようになる、という昔からよくあるアプローチの映画が今の時代に必要なのかと思わなくもないが(一応、イギリス人男性の特権性を弄るセリフはあるが)、white saviorをしたのも厳密に言うとあのペンギンに対してだけだったしな。