@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『KIDDO キドー』

 

『KIDDO キドー』 (Kiddo) [2023年オランダ]

 

オランダの児童養護施設で暮らす11歳の少女ルーのもとに、離ればなれになっていた母カリーナから突然の連絡が入る。自称ハリウッドスターだというカリーナは、再会を喜ぶルーを勝手に施設から連れ出し、ポーランドに住むおばあちゃんのところへ行くと告げる。カリーナにはルーとずっと一緒に過ごすための、ある計画があった。そんな母の型破りな言動に戸惑いながらも、一緒にいたい一心で母に着いていくルーだったが……。監督はザラ・ドビンガー。出演はフリーダ・バーンハード(カリーナ)、ローザ・ファン・レーウェン(ルー)ほか。

 

 不器用な親とそれを好きだけどちょっと遠くから見ている親子の逃避行にも似た旅という話で、これ自体は非常によくある話だが、やはりそれが"母親と娘"というと本当に珍しいというのがこの映画の最大の強みでかつ、それがまだ"珍しい"というのが悲しいところかもしれない。しかし、それを置いておいても本作は非常に個人的に素晴らしいと思った。よくある題材だけど、見せかたを非常に工夫していて(それがすごく洗練されている)、それが素晴らしいし、私は本作みたいに限られた世界や予算の中で工夫しているなって感じの映画が大好きだ。

 

 たぶんザラ・ドビンガー監督は好きな映画だったりをそのまま投影することに躊躇がないし、その潔さが素晴らしい。それにその好きな映画が自分と同じものだったりすれば、私は嬉しいし(本作の場合『テルマ&ルイーズ』)、それだけでその監督のことを好きになってしまう。こんな気持ちになったのは、同じく女性監督のグレタ・ガーウィグ以来だ。

 

 カリーナとルーの旅は最初から破綻しているのは見え見えなんだけど(何となくルーも気づいている)、それが凄く切なくて荒々しくて本当に魅了される。この終わりが見えているのにすごく魅力的っていうのが最大限にいかされているのがルーの年齢で、11歳って思春期と反抗期が始まるギリギリ前の年齢で、親をまだ心から愛しているって思っている時期だし、これを過ぎるとおそらくルーはカリーナと旅には出ないだろうなと思うと(カリーナも何となくそれに気づいていたから、あのラストでしょう)、そういうものを含めて、「あ、これはもう最後なんだな」って伝わってくる素晴らしい映画だったと思う。