@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』

 

『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』 (Crimes Of The Future) [2022年カナダ・ギリシャ]

 

そう遠くない未来。人工的な環境に適応するため進化し続けた人類は、その結果として生物学的構造が変容し、痛みの感覚が消え去った。体内で新たな臓器が生み出される加速進化症候群という病気を抱えたアーティストのソールは、パートナーのカプリースとともに、臓器にタトゥーを施して摘出するというショーを披露し、大きな注目と人気を集めていた。しかし、人類の誤った進化と暴走を監視する政府は、臓器登録所を設立し、ソールは政府から強い関心を持たれる存在となっていた。そんな彼のもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる。監督&脚本はデヴィッド・クローネンバーグ。出演はヴィゴ・モーゼン(ソール)、レア・セドゥ(カプレース)、クリステン・スチュアートほか。

 

 いつも通りのボディホラーでありながら、芸術のモデルにされ続けた人間の主体性についての話でもあり、その主体性の話が未成年の自己決定権(意に反して人体実験をさせられていた)の話と絡み合ってとても面白かった。

 

 人体実験されてプラスティックを分解できる体を持っていると思われていたブリッセンが実は全くそんなことなく体の中で毒になっていたことが明かされるのだが、そこで身体改造にエクスタシーを感じていたソールとカプリーズは初めて身体を傷つけることの痛みを感じるのだが、この2つの違いは自身の体についての自己決定権の有無で、ブリッセンにはその自己決定権が実の父ラングから侵害されていたのだ。その痛みを知ることで、アーティストとしての功罪について考えていて、芸術分野における倫理観を問いているようでもあった。

 

 ビジュアルがかなり強めの映画であるが、メッセージはけっこうクリアで力強いメッセージがある映画であったと思う(プラスティック廃棄、海洋プラスティック)。好きな映画であったが2つだけ疑問?というか思ったことがある。1つ目が本作の中で手術は究極のセックスらしいのだが、主演二人の年齢差が気になったよ。そこだけ全く未来じゃない。確か30歳くらい男性の方が年上だよね。2つ目は本作でも例にもれずレア・セドゥがヌードになっていて、「またか」と思ってしまった。本人がやりたちのか、そういう役がたくさん来るのか、心配になるよ。