クロードとシェーンの友情のほうが恋愛より大事だと思うぞ
『43年後のアイ・ラブ・ユー』(Remember Me)
70歳のクロードは妻を亡くし、LA郊外に一人で住む元演劇評論家。近所に住む親友のシェーンと老後を謳歌していた。
ある日、昔の恋人で人気舞台女優のリリィがアルツハイマーを患わせて施設に入った事を知る。もう一度リリィに会いたいと願ったクロードは、なんとアルツハイマーの《フリ》をしてリリィと同じ施設に入居するという一世一代の《嘘》を思いつく。
シェーンの協力のもと、遂にリリィと念願の再会を果たしたクロード。だがリリィの記憶からクロードは完全に消し去られていた―。そんなリリィに、クロードは毎日のように二人の想い出を優しく語りかけるのだった。
ニューヨークでの出会い、かつて共に過ごしたパリでの日々を綴った手紙、一緒に聴いたガーシュインの音色、そして想い出の花・ユリの香り。しかし、なかなかリリィの記憶は戻らない。そんなある日、昔リリィが演じたシェイクスピアの「冬物語」を施設で観劇する事になり、クロードは孫娘と一緒にある作戦を実行する。
アメリカだけでなくたった数秒のシーンでもフランスやスペインで撮影されており、かなり芸が細かい映画である。また本編の中で舞台劇をするシーンがあるのだが、そのシーンでは役者がしっかり舞台仕様の演技をしており、またそこも細かく良くできている。
しかし断然話の内容が好きじゃない。43年ぶりに出会った記者を都合よく好きになる者なのか。リリィは43年のブランクがあるわけだし、その間色々な人生経験をしているにも関わらず、元演劇評論家のこと急に思い出すか?とにかくアルツハイマー型認知症を盾にめちゃくちゃご都合主義的な脚本である。芸が細かいのだが、話の内容が好きじゃない。
クロードとリリィの恋愛より、年をとっても話し合えるクロードとシェーンの男同士の友情関係のほうがきっと大事だと思うのは私だけなのか。みんな恋愛から解放されようよ。