
『喝采』 (The Great Lillian Hall) [2024年アメリカ]
ブロードウェイの第一線で活躍してきた大女優リリアン・ホールは、チェーホフの戯曲「桜の園」の公演を間近に控えていたが、稽古中に突然言葉を失うアクシデントに見舞われ、医師から認知症だと告げられてしまう。それは彼女にとって引退勧告にも等しい、あまりにも残酷な現実だった。人生のすべてを舞台に捧げてきたリリアンは、病気の事実を自らの胸の奥に押しとどめたまま「桜の園」をやり遂げることを決意する。病状は悪化の一途をたどり、現実と妄想の境界さえも曖昧になっていくなか、最期になるであろう舞台のためにすべてをかけるリリアンだったが……。監督はマイケル・クリストファー。出演はジェシカ・ラング(リリアン・ホール)、キャシー・ベイツ(イーディス)、リリー・レーブ(マーガレット)、ジェシー・ウィリアムズ(デヴィッド)、ピアース・ブロスナン(タイ)ほか。
ブロードウェイで実際に活躍していたマリアン・セルデスという方をモデルに本作が作られたそうだ。正直、ブロードウェイの描き方も認知症の描き方も「これで合っているのか、いいのか」と思わなくもないが、まあ本作はジェシカ・ラングとキャシー・ベイツ演じるリリアンとイーディスの高齢女性同士の連帯や掛け合いが面白くて、それに加えてピアース・ブロスナン演じるやたらとセクシーな隣人タイとの絡みなど、とにかく役者の魅力で成り立っているような映画なので、役者の演技を観る映画という感じだ。