@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『サマーフィルムにのせて』WOWOW

 

『サマーフィルムにのせて』

時代劇オタクの女子高生ハダシは、同じ映画部に所属してはいるが、キラキラ恋愛映画ばかりに熱中するほかの連中には一向になじめずにいた。そんなある日、時代劇を見に行った映画館で彼女はひとりのイケメン男子を発見。その名の通り、凛太郎のりりしい姿に惚れ込んだハダシは、彼を主人公の武士に据えて時代劇映画を作ることを思い立つ。親友のビート板やブルーハワイも仲間に巻き込んで、ハダシの映画作りの冒険がここに始まる。

 

 おそらくこの映画の監督は相当映画オタクだと思う。でもただの二次創作になっていないのが凄いところだ。まずこの映画の下地は(丁寧に劇中にそれを明示するセリフがある)、『時をかける少女』だろう。それをかなり上手に組み立てて作っていて非常に面白い。また古今東西全ての青春映画の良いところと悪いところを研究して、悪いところを良いところに直してこの映画に組み込んでおり、ここもさすがだと思う。これは日本限らず、アメリカでも最近の青春映画はみんなそうだが。特に映画部のいわゆるキラキラした部員たちをハダシは最初下に見て馬鹿にするんだけど、最終的にはみんなで協力するし(逆にハダシが馬鹿にされる描写が無く、実はハダシよりキラキラしてた子たちの方が真面目なのだ)、アクティブな子が実は恋愛映画好きでみたいな描写もあるし、登場人物みんな互いの才能を認め合ったりしており、体育会系も文科系の部活もみんなお互いに気を配っているし大変すばらしい関係だ。(そしておそらくこれはリアルだ) よくスクールカーストが話題になるが、こういう何かに夢中になったりする関係で互いにリスペクトし合っているというのが今の子供たちのリアルだと思う。それを上手に映画にしていた。

 

 そして私はこの映画を観ながら、今の高校生は体育会系でも文科系でもとにかく何かに熱中している方がいんだろうなと思った。逆に何もやっていない、学校が終わったら速攻家に帰るような(私のような...)高校生は大変生きづらいだろうなと思う。ただ学校をこなすだけの子も、何とか生きていけるような環境にもなって欲しいと願う。

 

 また個人的にはこの映画のハダシを始め他の生徒の家庭での環境が見えてこなかったり(たぶん監督はそこは無視したんだと思う)するので、その辺は少し気になった。