@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

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『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun)

 

 国際問題からアート、ファッション、グルメに至るまで深く切り込んだ記事で人気を集めるフレンチ・ディスパッチ誌。編集長アーサー・ハウイッツァー・Jr.のもとには、向こう見ずな自転車レポーターのサゼラック、批評家で編年史家のベレンセン、孤高のエッセイストのクレメンツら、ひと癖もふた癖もある才能豊かなジャーナリストたちがそろう。ところがある日、編集長が仕事中に急死し、遺言によって廃刊が決定してしまう。

 

 本作でも良くも悪くもウェス・アンダーソン監督の魅力が詰まった作品になっている。まず作品を超すごとに豪華になっていくキャスト陣は凄い。まあ正直豪華すぎて一人一人が全く印象に残らないのが残念なところだ。もちろん登場人物の名前も一人も残ってない。個人的にはジェームズ・ボールドウィンがモデルの記者を演じたジェフリー・ライトの演技がもう少し観たかった。あと相変わらずウェス・アンダーソン監督は白人を多くキャスティングするなと思う。本作の第3章にあたる場面に出てくるアジア系のシェフはもう少し活躍してもいいんじゃないかな。あの第3章の黒人記者とアジア系料理人の交流をもうちょっと掘り下げてほしかった。そして変わらず女性の表象が薄すぎる。特にレア・セドゥのヌードは全く必要ないし、あのキャラクターの描写テキトウすぎでは?今どき出生が複雑でそのせいで性的に活発になったブロンド女性を2020年代に登場させる意味が薄い。

 

 もちろん雑誌のようなテンポと美術は凄い思う。こんな映画を撮れるのはそれこそウェス・アンダーソン監督だけだと思う。でもエンドロールを迎えた時に映画の内容を憶えているかと思えば、これが全く覚えていないんだよな。寝落ちしたわけでもないのに。覚えてないんだよ。逆にこんな体験をさせる監督も珍しい(笑)