@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ビルド・ア・ガール』

例え全てを失ってもホモ・ソーシャルには染まらないほうが良い

 

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『ビルド・ア・ガール』(How to Build a Girl)

 

1990年代前半のUKロックシーンを舞台に、冴えない高校生から辛口音楽ライターに転身した少女の奮闘を描いた青春ドラマ。1993年、イギリス郊外に家族7人で暮らす16歳のジョアンナは、底なしの想像力と文才を持て余し、悶々とした日々を過ごしていた。そんな日常を変えるべく、音楽情報誌「D&ME」のライターに応募した彼女は、単身ロンドンへ乗り込んで仕事を手に入れることに成功。しかし取材で出会ったロックスターのジョン・カイトに夢中になり、冷静な記事を書けず大失敗してしまう。編集部のアドバイスにより、過激な毒舌記事を書きまくる辛口批評家“ドリー・ワイルド”として注目を集めていくジョアンナだったが……。

 

 作家・コラムニストのキャトリン・モランの自伝的小説を映画化した作品で、監督も脚本も女性が務めている。テンポよく進んでいくし、ユーモアも大変面白い、かつメッセージも良い。特に壁に貼ってあるジョアンナは崇拝している芸術家や作家や俳優やミュージシャンが語りかけてくる設定がとても面白いと思った。また主人公のジョアンナを演じるビニー・フェルドスタインが本当に素晴らしい。彼女は将来大物になると思う。

 

 面白いのが、ジョアンナの部屋に飾ってある写真が個人的に私が崇拝している人物とほとんど同じだということである。そしてその人物たちが語りかけてくるなんて最高じゃないか。それなのに自分がピンチになったときに、壁の人物たちが語りかけてこなくなり、ジャアンナが自分で問題を解決しないといけなくなるシーンは大変現実味があるし、これはかなり共感してしまう。というのも私も芸術や映画や音楽に救いを与えられるのに、こちらが困った時に求めると向こうはなかなか答えてくれないのだ。そう自分で解決するしかない。自分でbuildしないといけなくて、音楽や本や芸術はそのbuildするときに知恵や力や癒しや怒りをくれるのだ。

(ちなみに壁にある写真の中にいるエリザベス・テイラーを演じているのはミュージシャンのリリー・アレンで、本作でジョン・カイトを演じているアルフィー・アレンの実の姉である。キャスティングが面白い(笑))

 

 次にリアルだと思ったのが、ジョアンナが音楽雑誌で働くために所謂男性のワルノリを内面化していく姿だ。これは大変観ていて辛かったし、この時にしてしまった悪いことを贖罪していくのにはとても時間がかかる。これをあの映画に出てくる男どもはしないで、変わらないで一生を過ごして、ジョアンナは贖罪に時間を割くのが。全く男どもよ、キッチンとトイレを往復する日々を過ごしてみろよ。(ジョアンナ風悪口)