@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ビースト』

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『ビースト』

 

 2004年のフランス映画「あるいは裏切りという名の犬」を大胆に翻案し、猟奇殺人事件に運命を狂わされた2人の刑事を描いたノワールスリラー。かつては互いを認め合い、正反対の性格ながらも相棒同士だった刑事ハンスとミンテ。仁川で猟奇殺人事件が発生し、捜査1班を率いるハンスと2班を率いるミンテが昇進をかけて捜査に乗り出す。やがてハンスは容疑者を逮捕するが、冤罪を確信したミンテが独断で釈放したことで捜査は混迷を極め、2人の溝はさらに深まっていく。そんな中、情報屋のチュンベに呼び出されたハンスは、猟奇殺人事件の情報を提供する交換条件として、チュンベが起こした殺人の隠蔽工作に加担。チュンベからの情報を元に、容疑者のアジトを突き止めるハンスだったが……。

 

 全体的には刑事二人の男の醜い意地の張り合いのせいで周りが振り回されるという話である。最後に新人の女性警官に刑事の男が見放されるというオチがちゃんとあるし、この辺は韓国映画の上手さが光る。この映画の進行元にある狂気的な女性殺人事件があるのだが、この事件の被害者である女性たちの主体性は回復せず、むしろ一方的な被害者としか描かれず、しかも捜査の中で二次加害的な扱いを受ける。これは大変よろしくない。しかも主人公の妻が最終的には冷蔵庫に入れられる(つまり死ぬ)ので、これも良くない描かれ方だと思う。強烈なドラマ性を演出しすぎていると思う。